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暴力団ニュース~ヤクザ゙事件簿

全国の暴力団・任侠・極道・準暴力団・匿名・流動型犯罪グループ関連の事件・ニュース速報

「お前の妹、何歳かな」知人男性を脅迫 浪川会系組員を逮捕

 佐賀県警は31日、知人男性を脅したとして、指定暴力団・浪川会系組員(47)=佐賀県多久市=を脅迫の疑いで逮捕した。

 逮捕された組員は8月29日午後10時45分ごろ、佐賀県在住の20代知人男性に電話をかけ、「お前の妹、何歳かな」「お前のせいで不幸にならんがよかばってんの」などと脅した疑いが持たれている。2人は知人関係で、被害者の男性は「元職場の関係でトラブルがあった」と話している。

 調べに対し、組員は「脅すような言葉は一切言っていません」と容疑を否認していて、県警は実際にトラブルがあったかなど調べを進めている。

自動車盗 被害総額10億円以上の新手口「CANインベーダー」を初摘発

 兵庫県警捜査3課は31日までに、兵庫や大阪などで高級車195台(10億3千万円相当)を盗んだとして、無職・郷敦行被告(38)=大阪府堺市堺区=と、無職・児島敬一被告(43)=さいたま市浦和区=(いずれも公判中)を窃盗などの疑いで逮捕、送検した。

自動車盗 被害総額10億円以上の新手口「CANインベーダー」を初摘発 押収された端末機器
押収された端末機器
自動車盗 被害総額10億円以上の新手口「CANインベーダー」を初摘発 押収された端末機器

 2人は車のフロントバンパーを外し、ヘッドライトの裏側にコードを接続。特殊な端末を車に接続して制御システム「CAN(キャン)」をハッキングし、エンジンを始動させる「CANインベーダー」といわれる手口で車を盗んだとみられる。調べに対し「暴力団関係者から依頼を受けて盗み、売却した」と容疑を認め、端末機器は「愛知県の自動車盗グループの男から約200万円で買った」と供述している。

 2人は共謀し平成28年4月~今年2月、兵庫や大阪、千葉など17都府県で、駐車場に止めてあったレクサスやアルファード、ヴェルファイアなど高級車の窃盗を繰り返したとして逮捕、送検された。盗んだ車は千葉県内の自動車解体工場に持ち込み、車体番号を加工して転売していたという。

 2人は2月2日、千葉県柏市内の駐車場で、駐車中のレクサス1台(492万円相当)と車内にあった腕時計1個を盗んだとして兵庫県警に逮捕され、同罪で起訴されている。

 この「CANインベーダー」といわれる手口の摘発は全国で初めてで、数年前から電子キーが発する電波を中継、増幅して車を盗む「リレーアタック」と呼ばれる手口の被害が続発していたが「CANインベーダー」は、さらに防止するのが難しいとされる。

関係を断ちたい女性に金銭要求 旭琉会系「照屋一家」組員に中止命令

 沖縄県警豊見城署は30日、関係を断ち切りたいと申し出た飲食店従業員の女性(24)に対し、4月下旬ごろに不当に金銭を要求したとして、指定暴力団・旭琉会系「二代目照屋一家」組員(32)に暴力団対策法に基づく中止命令を出した。

 組員は「命令には違反しないことを約束します」などと話し、命令書を受け取った。

知人女性に作らせた口座を使用 元暴力団組員を逮捕

 北海道警苫小牧署は、自分が使うために知人女性の名義で銀行口座を作らせとして、元暴力団員で無職・香川国洋容疑者(51)=北海道室蘭市日の出町=を詐欺の疑いで逮捕した。

 香川容疑者は、今年3月25日、自分が使うための銀行口座を、伊達市の金融機関で、知人女性に女性名義で作らせた疑いがもたれている。香川容疑者は、当時、暴力団組員だったため、金融機関に口座をつくることができず、知人女性に口座開設を頼み、知人女性も、事情を知りながら引き受けたとみられている。

 調べに対し、香川容疑者は「逮捕されたことに納得がいかない」と容疑を一部否認し、「今は組員ではない」と反論している。

 道警は、香川容疑者について別件で捜査している中、情報を入手し今回の逮捕につなげた。道警は、香川容疑者が何の目的で知人女性につくらせた口座を使用していたかなどについて捜査を進めている。

自宅アパートで男性を殴り殺害 山口組傘下幹部を逮捕

 警視庁小松川署は29日、50代ぐらいの男性を殴って殺害したとして、現場にいた特定抗争指定暴力団・六代目山口組系幹部・阿部正春容疑者(54)=東京都江戸川区平井=を殺人の疑いで逮捕した。阿部容疑者は黙秘している。

殺人容疑で阿部正春容疑者を逮捕1
事件のあったアパート
殺人容疑で阿部正春容疑者を逮捕2
阿部正春容疑者を逮捕
殺人容疑で阿部正春容疑者を逮捕3

 阿部容疑者は29日午前0時ごろ、江戸川区平井の自宅アパートで50歳ぐらいの男性が倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。自宅で一緒に飲酒していたとみられ、阿部容疑者が男性の頭などを何らかの凶器で殴り殺害したとして、同署は男性の身元や経緯を調べている。

 同署によると、阿部容疑者本人が事件の約45分後に「早く来て」と110番通報。居間で倒れていた血まみれの男性を署員が発見した。現場にいたのは被害者の男性と阿部容疑者の2人だけだった。

福岡地裁:「工藤会」総裁と会長に再び接見禁止を決定

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 福岡地裁は、市民襲撃4事件で殺人や組織犯罪処罰法違反などの罪に問われ死刑判決を受けた、特定危険指定暴力団工藤會総裁・野村悟被告(74)と、無期懲役を言い渡された会長・田上不美夫被告(65)について接見禁止を決定した。

左:野村悟被告 右:田上不美夫被告
左:野村悟被告
右:田上不美夫被告

 両被告は24日の判決公判で、判決言い渡し後に裁判長へ向け「あんた、生涯後悔するぞ」「公正やないね」などと発言したのを踏まえ、組員らを通じて関係者を脅すなどして証拠隠滅を図る恐れが否定できないと判断したとみられる。

 接見禁止は、被害者や証人への圧力による罪証隠滅の恐れがある場合に認められている。また両被告は既に控訴していて、控訴審への影響を考慮したものとみられる。

 両被告の接見禁止は1審の証拠調べが終わった2020年9月に約6年ぶりに解除され、工藤會関係者や福岡県内外の暴力団幹部が相次いで接見に訪れていた。

「持続化給付金」詐取 山口組傘下組員を逮捕

 福島県警は、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業を支援する「持続化給付金」をだまし取ったとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組傘下組員・秋山康之容疑者=会津若松市=を詐欺の疑いで逮捕した。秋山容疑者の認否は明らかにしていない。

 秋山容疑者は去年、暴力団組員であることを隠し、個人事業主になりすまして虚偽の申請をして、持続化給付金93万円あまりを詐取した疑いが持たれている。県警は余罪も含め捜査を進めている。

「用心棒代」授受 弘道会傘下「福島連合」を家宅捜索

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 北海道警は、札幌市ススキノの飲食店経営者と特定抗争指定暴力団・六代目山口組系三代目弘道会傘下、「福島連合」組員の間で用心棒代の授受があったとして4人が逮捕された事件を受け、捜査員43人体制で「福島連合」の事務所を家宅捜索した。

「用心棒代」授受 弘道会傘下「福島連合」を家宅捜索
「福島連合」を家宅捜索
「用心棒代」授受 弘道会傘下「福島連合」を家宅捜索


 北海道は27日から「緊急事態宣言」の対象となり、防護服を着用したスタッフが捜索前に中にいた組員の検温など、コロナ対策をした上で家宅捜索を行った。

 家宅捜索は福島連合組員・佐藤拓人容疑者(31)=札幌市中央区南7条西5丁目=と、飲食店などを経営する木下大夢容疑者(31)=同市中央区南19条西14丁目=ら4人が今年1月、木下容疑者が経営する飲食店の用心棒代として現金12万円を授受した道暴力団排除条例違反の疑いで逮捕されたことを受け行われた。

 木下容疑者はコロナ対策の「持続化給付金」詐取ですでに4度起訴されていて、道警は木下容疑者が不正に得た金が暴力団の資金源になっていたとみて解明を進めている。

工藤会裁判 判決不服で控訴 裁判長への発言に「脅しや報復の意図はない」

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 特定危険指定暴力団工藤會が関わったとされる一般市民襲撃4事件で、殺人と組織犯罪処罰法違反などの罪に問われ、死刑判決を受けた工藤會総裁・野村悟被告(74)と、無期懲役とされた会長・田上不美夫被告(65)は、地裁判決を不服として25日付で福岡高裁に控訴した。

工藤会裁判 判決不服で控訴 裁判長への発言に「脅しや報復の意図はない」
左:野村悟被告
右:田上不美夫被告

 4事件は1998年の元漁協組合長射殺(殺人)、2012年の元福岡県警警部銃撃、2013年の看護師襲撃、2014年の歯科医襲撃(いずれも組織犯罪処罰法違反)。24日の地裁判決は、無罪主張を退け4事件全てで野村被告の関与を認定。「首謀者」として極刑はやむを得ないと結論付けた。

 弁護人は24日の判決直後と26日に野村被告と面会、気落ちした様子はなく4事件について改めて「無実です。先生、本当に知らないんですよ。私は頑張ります」と述べたという。

 また、弁護団は26日、野村被告が判決言い渡し後に裁判長に「生涯、このこと後悔するよ」などと発言したことについて、「公正な裁判をお願いしたのに推認、推認で有罪を認定した。こんな判決では裁判官としての職務上、生涯後悔することになるという趣旨だった。脅しや報復の意図はない。言葉が切り取られている」という趣旨の説明をした。

 福岡県警は「司法関係者に危害が及ぶ恐れがある」と判断し、これまで以上に警戒を強化した。

用心棒代受け取り 山口組系「平井一家」を家宅捜索

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 愛知県警は26日午前、愛知県豊橋市の飲食店から「用心棒代」として現金を受け取ったとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「十一代目平井一家」幹部らが逮捕された事件を受け、「平井一家」の事務所を捜査員16人体制で家宅捜索した。

用心棒代受け取り 山口組系「平井一家」を家宅捜索
平井一家を家宅捜索

 この捜索は、 豊橋市の暴力団排除特別区域にある飲食店2店舗から「用心棒代」として、現金合わせて43万円を受け取ったとして、平井一家傘下幹部・西山寿史容疑者(46)や、元組長・山本旭容疑者(49)ら3人が県暴力団排除条例違反の疑いで逮捕・送検されたことを受けて行われた。

 県警は、組織的に「用心棒代」を回収していたとみて調べている。

倉庫で大麻草266鉢を営利目的で栽培 ベトナム籍の男4人を逮捕

 群馬県警組織犯罪対策課と伊勢崎署などは25日までに、伊勢崎市内の倉庫で大麻草を栽培したとして、無職のド・バン・ハン容疑者(25)=伊勢崎市日乃出町・ベトナム国籍=ら男4人を大麻取締法違反(営利目的栽培など)の疑いで逮捕した。乾燥大麻は末端価格は現在1グラム6000円ほどで、今回押収された大麻では、億単位に上るとみられる。県警は4人の認否を明らかにしていない。

伊勢崎市内の倉庫で大麻草266鉢を営利目的で栽培 ベトナム籍の男4人を逮捕
押収された大麻草
伊勢崎市内の倉庫で大麻草266鉢を営利目的で栽培 ベトナム籍の男4人を逮捕

 ド・バン・ハン容疑者ら3人は共謀して、8月24日午後6時15分ごろ、伊勢崎市三室町の2階建ての倉庫内で大麻草266鉢を営利目的で栽培した疑い。倉庫内は大麻草栽培のために光や温度が調整できるようになっていて、苗を置く場所や大麻を乾燥させる場所など4つに区分けされていた。

 伊勢崎市内では、去年4月にも別の倉庫で大麻草を栽培したとして、ベトナム国籍の男が逮捕されていて、県警はこの事件に関連して、去年4月4日午後5時25分ごろに伊勢崎市香林町の倉庫で、営利目的で大麻草144本を栽培し、大麻草7177グラムを所持したとして、3人と同居していた同じくグエン・テー・クエン容疑者(28)=ベトナム国籍=も逮捕した。

 2つの事件には関連があり、組織的に大麻を栽培していたとして、ほかにも共犯者がいるとみて調べを進めている。

福岡県警:工藤会総裁の死刑判決で裁判官や証人らの保護対策徹底

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 福岡県警は25日、特定危険指定暴力団工藤會の総裁・野村悟被告(74)に死刑を言い渡した24日の福岡地裁の判決公判で、判決直後に野村被告が裁判長に「生涯後悔するぞ」などと威圧するような発言をしたことを受け、、担当の裁判官や公判に出廷した証人らの保護対策を徹底し警備範囲を拡大、改めて警戒を強めよう通知した。

福岡県警:工藤会総裁の死刑判決で裁判官や証人らの保護対策徹底
福岡県警察本部

 これまでの野村被告の公判では、工藤會系組員も証人の男性を面会や電話で威迫したとして、組織犯罪処罰法違反(証人威迫)の疑いで逮捕、起訴されている。

 福岡地裁は24日の判決公判で、四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた野村被告に死刑、ナンバー2で会長・田上不美夫被告(65)に無期懲役の判決を言い渡した。直後に野村被告は、「全然公正じゃない」などと強い口調で発言。田上被告も「あんたたち恥ずかしくないんか」と検察側に詰め寄っていた。

 県警は、組織犯罪対策課内の「保護対策室」の約100人を中心に対応に当たっており、判決後の工藤會の動向を注視している。警察庁などとも連携し、県内外の保護対象者の安全確保にも当たる方針。

飲食店からみかじめ料 山口組系平井一家傘下幹部ら3人を逮捕

 愛知県警は25日、愛知県豊橋市の飲食店などから用心棒代を受け取っていたとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系十一代目平井一家傘下幹部・西山寿史容疑者(46)ら3人を県暴力団排除条例違反の疑いで逮捕した。

 西山容疑者ら3人は、豊橋市松葉町にあるラウンジやバーから用心棒代として計43万円を受け取った疑いがもたれている。調べに対し西山容疑者は認否を留保し、他の2人も一部否認している。

 

用心棒代授受 弘道会傘下「福島連合」組員ら4人を逮捕

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 北海道警は、飲食店などの経営者から用心棒代を授受したとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系三代目弘道会傘下「福島連合」組員・佐藤拓人容疑者(31)=札幌市中央区南7条西5丁目=と、飲食店などを経営する木下大夢容疑者(31)=同市中央区南19条西14丁目=ら4人を道暴力団排除条例違反の疑いで逮捕した。4人の認否を明らかにしていない。

 佐藤容疑者ら2人は1月下旬ごろ、札幌すすきので飲食店などを経営する「G-motion」代表・木下容疑者ら2人から、用心棒代として12万円を受け取った疑い。佐藤容疑者と木下容疑者は友人で、過去に木下容疑者の店で起きたトラブルを佐藤容疑者が処理していたという。木下容疑者は、新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」を詐取した疑いでも逮捕されていて公判中。

 道警は、木下容疑者らが札幌市内でセミナーなどと称して150人以上に給付金の不正受給の手口を指南し、総額1億5千万円以上の不正受給にかかわり、一部が暴力団に流れた可能性があるとみて調べている。

【判決要旨】工藤会総裁に死刑判決 会長に無期懲役

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 福岡地裁で24日午前10時に始まった特定危険指定暴力団工藤會による一般市民を標的とした4件の殺傷事件で、殺人などの罪に問われた工藤會トップで総裁・野村悟被告(74)と、工藤會ナンバー2の会長・田上不美夫被告(65)の判決公判は、「主文」の言い渡しが後回しとなり、判決理由から述べられた。野村被告は認定事実が読み上げられる間、ときおり首をかしげ、隣にいた田上被告は苦笑いを浮かべるなどしていた。

左・野村悟被告 右・田上不美夫被告
左・野村悟被告
右・田上不美夫被告

 午後4時頃に「主文」が言い渡され閉廷が告げられると、両被告の態度は一変。
 野村被告は退廷間際、足立勉裁判長に向かって「公正な判断をお願いしたのに全然公正じゃない」「あんた、生涯後悔するぞ」などと、脅すように大きな声を上げ退廷。
 無期懲役が言い渡された田上被告も「ひどいな、あんた。足立さん」「東京の裁判官になって良かったね」などと、威圧ともとれる発言を残して退廷した。

 足立裁判長は2019年の初公判から今年3月の結審まで計62回の公判を担当。4月に東京高裁に異動したが、この日は出張して判決を読み上げていた。

 一般市民襲撃4事件で野村被告を死刑、会長・田上被告を無期懲役とした福岡地裁の判決要旨は次の通り。

【工藤会と被告】
 野村被告は1986年ごろ、工藤連合の2次団体の組長となり、90年に工藤連合(二代目)が発足した際、田上被告を序列2位に抜てきした。2011年に五代目工藤會が発足し、野村被告が総裁、田上被告が会長となり、序列が厳格に定められていた。
 野村被告は最上位の扱いを受け、特別な存在として見られ、工藤會内で実質的にも最上位の立場で、重要事項についての意思決定に関与していたと推認できる。重要事項に関し、執行部が両被告の意向を無視し、実行することは組織のありようから考え難い。

【元漁協組合長射殺】
 事件は両被告が被害者一族の利権に重大な関心を抱き、交際を拒絶される中で起こった。動機が十分にあり、両被告の関与がなかったとは考えられず、共謀が認められる。弁護人は起訴は公訴権を乱用した極めて不当かつ違法なもので無効だと主張するが失当だ。

【元福岡県警警部銃撃】
 工藤會の最高幹部と直接会話できる数少ない捜査員だった被害者を襲撃するのは、工藤會にとって重大なリスクがあることは容易に想像でき、両被告に無断で起こすとは到底考えられない。

【看護師襲撃】
 野村被告は被害者が勤める美容形成クリニックで受けた施術や対応に不満を抱いており、動機があった。他の組員に動機はなく、無断で実行した可能性はない。

【歯科医襲撃】
 田上被告は港湾建設工事に影響力を有するとみられていた被害者一族の利権に注目し、被害者の父親に利権交際に応じるよう要求したが、父親は応じなかった。野村被告の関心事である利権介入に大きく関係し、多数の組員を組織的に動かす犯行を、田上被告が野村被告の関与なしに指示するとは到底考え難い。

【量刑理由】
 野村被告は巨額の利権を継続的に得ようと、組員らと共謀して漁協の元組合長を殺害した。他の3事件も組織的・計画的で人命軽視の姿勢は著しい。体感治安が著しく悪化する甚大な社会的影響が生じた。暴力団の組織力を利用し、首謀者として関与した。極刑の選択はやむを得ない。
 田上被告の責任は野村被告に次いで重く、無期懲役刑を科すのが相当だ。検察官は、元警部銃撃事件で経済的利益獲得に資するという目的も併せ持っていたとして罰金刑も主張したが、飛躍があり、科すことはしない。

【主文】
 野村悟被告を死刑、田上不美夫被告を無期懲役とする。

 両被告の弁護側は控訴する方針。

カッターで「目ん玉刺したろか」 弘道会傘下幹部を逮捕

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 愛知県警は24日、男性にカッターナイフを振りかざし「目ん玉刺したろか」などと脅したとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系三代目弘道会傘下幹部・郡司久容疑者(72)を暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕した。調べに対し、郡司容疑者は「怒鳴っただけだ」などと容疑を否認している。

愛知県警察本部
愛知県警察本部

 郡司容疑者は24日午前9時半ごろ、名古屋市北区の自宅で、男性(63)に対し、足を踏みつけ頭上にカッターナイフを振りかざして「てめぇ、目ん玉刺したろか」などと脅迫した疑いがもたれている。同日午後、男性が警察に相談したことで事態が発覚し逮捕した。

重機で追い込み崖から突き落とす 浪川会系組員2人を逮捕

 佐賀県警は24日、先月9日に佐賀市の建設現場で、40代男性を崖から2回突き落とすなどして殺害しようとしたとして、指定暴力団・浪川会系組員・黒木隆史容疑者(42)=伊万里市=を殺人未遂の容疑で、同会系組員・北原慎也容疑者(45)=伊万里市=を殺人未遂ほう助の容疑で逮捕した。県警は捜査に支障をきたすとして、2人の認否を明らかにしていない。

 黒木容疑者は、7月9日午後3時ごろから午後6時20分ごろまでの間、佐賀市富士町にある建物の解体現場で、40代男性の顔や腹などを殴る蹴るなどし、重機を使って崖付近に追い込んだ上、「殺すぞ」などと言いながら男性を蹴って2回、約6メートルの崖下に突き落とすなどして殺害しようとした殺人未遂の容疑で逮捕。北原容疑者は、崖下に突き落とされた被害者の男性に、崖の上に上がるよう指示するなどした殺人未遂ほう助の容疑で逮捕された。

 被害者の男性は肝臓や腎臓を損傷したほか、ろっ骨を折るなど、約1カ月の重傷。

福岡地裁:工藤会総裁・野村被告に死刑判決

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 福岡地裁(足立勉裁判長)は24日、全国で唯一の特定危険指定暴力団工藤會が関与したとされる市民襲撃4事件で、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などの罪に問われた工藤會トップで総裁の野村悟被告(74)と、工藤會ナンバー2で会長の田上不美夫被告(65)の判決公判で、足立裁判長は求刑通り、野村被告に死刑を言い渡した。田上被告にも無期懲役(求刑無期懲役、罰金2000万円)を言い渡した。指定暴力団トップへの死刑判決は初めて。

 午前10時から始まった判決公判で、足立裁判長は「主文」の言い渡しを後に回し、判決理由の朗読から始めた。その中で足立裁判長は、4事件すべてで両被告と実行役らとの共謀があったと認定。うち唯一死亡者が出て両被告が殺人罪などに問われている元漁協組合長射殺事件では「野村被告は首謀者として関与した」と指摘した。

 各事件は野村被告が意思決定し、「指揮命令系統を利用して組織的に行われた」と指摘。野村被告について「極刑をもって臨まなければ社会正義を実現できない」とし、田上被告に対しても「刑事責任は野村被告に次いで重い」と批判した。

 午後4時ごろ、死刑判決を言い渡された野村被告は、「公正な判断をお願いしたんだけど、全部追認、追認。こんな裁判あるんか。あんた、生涯、この事後悔するよ」と足立勉裁判長に向かって強い口調で発言。無期懲役を言い渡された田上被告は「ひどいな、あんた、足立さん」と述べ、足立裁判長は2度、「退廷してください」と求めた。

 4事件の実行に関わった組員らは既に有罪判決が出て一部は確定しており、両被告の直接的な指示を示す証拠がない中、両被告と組員らとの共謀が成立するかが最大の争点だった。

 野村被告は工藤會への上納金を脱税したとして2018年7月に懲役3年、罰金8000万円の判決を受け、2021年2月に最高裁で上告を棄却されている。

大麻密輸グループの中心人物 出頭した山口組系組員を逮捕・送検

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 愛知県警は、今年3月に他の者と共謀して密輸入した乾燥大麻を所持したとして特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「十一代目平井一家」組員・伴龍也容疑者(31)=住居不詳=を麻薬特例法違反の疑いで逮捕・送検した。8月21日に伴容疑者本人が、警察に出頭して逮捕された。伴容疑者の認否は明らかにしていない。

 伴容疑者は、8月5日にアメリカから国際宅急便などを使い、大量の大麻を密輸入しようとしたとして逮捕された2つのグループの中心人物とみられている。

 大量の大麻密輸事件では、8月5日にアメリカから国際郵便を使って乾燥大麻およそ約3940グラム(末端価格2400万円相当)を密輸しようとしたとして無職・奥山友樹容疑者=神奈川県横浜市金沢区六浦南=ら男女7人を逮補、また同日、アメリカから国際宅急便を使って液状大麻約7910グラムを密輸しようとしたとして山口組傘下組員・竹下浩平容疑者=愛知県豊橋市神ノ輪町=ら4人が逮捕されている。

「市民襲撃4事件」無罪主張の工藤会総裁と会長 24日に判決

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 福岡地裁で明日24日、市民襲撃4事件で殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)の罪に問われている特定危険指定暴力団工藤會総裁・野村悟被告(74)と、工藤會ナンバー2で会長・田上不美夫被告(65)の判決が言い渡される。

左:野村悟被告 右:田上不美夫被告
左:野村悟被告
右:田上不美夫被告

 公判は2019年10月に始まり2021年3月まで計62回開かれた。最大の焦点は野村被告らが配下の組員たちに事件を指示したかどうか。今回の判決は、全国唯一の「特定危険指定暴力団」に対して、福岡県警が進めてきた「壊滅作戦」の行方を左右するだけでなく、今後の暴力団捜査に影響を与える可能性がある。

 野村被告らの指示を直接示す証言や証拠はなく、検察側は88人に上る証人尋問で間接証拠を積み重ねてきた。野村被告を頂点とする組織の実態や両被告に事件を指示する動機があったことを浮き彫りにして、工藤會が上意下達が厳格な「鉄の結束」を誇る組織だと強調、「組織的に行われた犯行で、上位者の意思決定が必要不可欠」などと指摘。総裁・野村被告に死刑を求刑、会長・田上被告に無期懲役と罰金2000万円を求刑した。

 一方、弁護側は各事件の主要な証人の証言を「歪曲された可能性が大きい」「極めて不自然かつ不合理で虚構にすぎない」などと全否定。野村被告は「隠居の身」として、組織運営には関わっていないと反論。全面対決の姿勢を貫いており、野村被告らも一貫して起訴内容を否認し「総裁に権限はない、飾り」などと無罪を主張していた。

 判決は、明日24日午前10時から福岡地裁で言い渡される予定で、司法の判断が注目される。

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■強制性交等罪・不同意わいせつ罪 (16)
■強制わいせつ (2)
■迷惑行為防止条例違反 (30)
■児童福祉法違反 (33)
■県青少年健全育成条例違反 (7)
■未成年者誘拐 (1)
■公然わいせつ (3)
■わいせつ図画販売 (19)
■児童買春・ポルノ処罰法違反 (8)
■風俗営業法違反 (52)
■売春防止法違反 (49)
■入管難民法違反 (15)
不法就労助長 (4)
旅券法違反 (8)
■労働者派遣事業法違反 (46)
■不動産侵奪 (2)
■健康保険法違反 (3)
■宅建業法違反 (4)
■職業安定法違反 (14)
■建設業法違反 (12)
■労働基準法違反 (3)
■雇用保険法違反 (1)
■不正競争防止法違反 (2)
■食品衛生法違反 (3)
■強制執行妨害・競売入札妨害 (21)
■廃棄物処理法違反 (19)
不法投棄 (14)
虚偽管理票交付 (2)
虚偽申請 (1)
■建造物侵入 (15)
■器物損壊・建造物、住建造物損壊 (158)
■建造物等放火・住建造物等放火 (33)
■放火予備 (2)
■火炎瓶処罰法 (4)
■爆発物取締罰則違反 (25)
■保護責任者遺棄致死 (1)
■自動車運転処罰法違反 (1)
■道路運送法・道交法違反 (82)
自動車運転過失傷害・ひき逃げ (23)
妨害運転罪・あおり運転 (1)
酒酔い運転・酒気帯び運転 (6)
■危険運転致傷 (4)
■暴走族追放条例違反 (1)
■公務執行妨害 (32)
■威力業務妨害 (34)
■競売入札妨害 (3)
■偽計業務妨害・偽計信用棄損 (13)
■名誉毀損罪 (1)
■商標法違反 (13)
■著作権法違反 (3)
■文化財保護法違反 (1)
■電磁的記録不正作出・共用 (6)
■電磁的記録媒体頒布 (3)
■密輸 (2)
■所得税法違反 (20)
■関税法違反 (8)
■政治資金規正法違反 (4)
■電波法違反 (1)
■旅館業法違反 (1)
■民事保全法違反 (1)
■裁判員法違反 (2)
■弁護士法違反 (2)
■収賄罪 (1)
■地方公務員法違反 (4)
守秘義務違反 (0)
■住民基本台帳法違反 (4)
■職務強要 (1)
■特定商取引法違反 (4)
■裁判 (212)
■犯罪収益移転防止法 (13)
■暴力団対策法 (167)
用心棒料等要求行為 (4)
多数集合 (5)
損害賠償 (10)
用心棒行為等防止命令 (3)
使用制限命令 (32)
再発防止命令 (29)
使用者責任 (24)
賞揚等禁止命令 (5)
■中止命令 (133)
■都道府県暴力団排除条例違反 (397)
■組織犯罪処罰法違反 (258)
組織的殺人 (21)
組織的殺人未遂 (42)
組織的詐欺 (14)
組織的恐喝 (8)
組織的強要 (3)
組織的賭博開帳図利 (3)
組織的建造物損壊 (4)
組織的威力業務妨害 (3)
没収保全命令 (1)
犯罪収益収受 (107)
犯罪収益隠匿 (12)
犯罪収益仮装 (2)
犯人隠避・犯人隠避教唆 (10)
組織犯罪処罰法違反幇助 (1)
組織犯罪証拠隠滅 (1)
■暴力行為等処罰法違反 (56)
■指詰めの強要等の禁止 (0)
■脱退妨害行為 (0)
■暴力団追放活動 (91)
■家宅捜索 (157)
■不起訴処分 (38)
■国外 (66)
■軽犯罪法違反 (1)
■その他 (2293)
■未分類 (1535)
■横領 (2)