工藤会控訴審の被告人質問 田上被告は2つの事件「指示」野村被告は全て否定
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福岡高裁で27日、市民を標的とした4件の市民襲撃事件に関与したとして、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われている特定危険指定暴力団・工藤會トップらの控訴審で、午前10時から一審で無期懲役の判決を受けたナンバー2の会長・田上不美夫被告(67)、午後2時からは一審で死刑判決を受けた工藤會トップの総裁・野村悟被告(76)の被告人質問が行われた。

田上不美夫被告
午前10時から行われた田上被告の被告人質問では、弁護側から「4件について関与はありますか」と聞かれた田上被告は、「はい、あります。看護師事件と歯科医師事件です」「傷つけるように指示しました」と答えたが、ほかの2事件については「関与しておりません」と述べた。
一審の福岡地裁で田上被告は、全面的に無罪を主張して無期懲役の判決が言い渡されたが、控訴審では4つのうち2つの事件について犯行を指示したことを認めると主張を一転させ、同じ罪に問われ1審で死刑判決を受けた工藤會のトップ、総裁・野村悟被告(76)の関与を改めて否定した。
弁護人からの質問の終盤、「自身の最期はどうなると思うか」と問われると、田上被告は「獄中死と思います」と回答し、工藤會の今後については、「私が作った会ではないので、しかるべき人に譲り、私も何らかの形で残りたい。工藤會をなくすつもりはありません」と話し、その意図については「普通の人には分からないだろうが、私のようにこの世界でしか生きていけない人間もいる」と説明した。

野村悟被告
一方、同日午後2時から、総裁・野村悟被告の被告人質問が行われ、弁護側の質問で「会長・田上不美夫被告が指示をしたと聞いてどう思いましたか?」という問いに対し、野村被告は「田上も私のことを思いすぎてくれるくらいの人間やから、すまんなと」話し、襲撃を指示したかとの問いには「そんなことはしていない、聞いたこともありません」と改めて4つの事件への指示を否定し、1998年の元漁協組合長射殺事件を巡り、被害者親族とトラブルがあったと認定した一審判決に関し、「作り事だ」と批判。総裁になってから起きた残る3事件についても「隠居」の立場だと主張し、指示を認めなかった。
さらに野村被告は今後、総裁という立場を工藤會からなくし、工藤會との関係を断ち切ると話し、検察側に対し「むちゃくちゃむごいことをしよるんですよ」などとと述べた。裁判長に言っておきたいことを尋ねられると「公正な判断をお願いしたいと思います」と述べ、1審でも主張した「公正な判断」を強調した。
市川太志裁判長は、初公判で弁護側が請求していた証人尋問などの証拠調べをいずれも退け、次回公判を11月29日に指定した。
福岡高裁で27日、市民を標的とした4件の市民襲撃事件に関与したとして、殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)などに問われている特定危険指定暴力団・工藤會トップらの控訴審で、午前10時から一審で無期懲役の判決を受けたナンバー2の会長・田上不美夫被告(67)、午後2時からは一審で死刑判決を受けた工藤會トップの総裁・野村悟被告(76)の被告人質問が行われた。

田上不美夫被告
午前10時から行われた田上被告の被告人質問では、弁護側から「4件について関与はありますか」と聞かれた田上被告は、「はい、あります。看護師事件と歯科医師事件です」「傷つけるように指示しました」と答えたが、ほかの2事件については「関与しておりません」と述べた。
一審の福岡地裁で田上被告は、全面的に無罪を主張して無期懲役の判決が言い渡されたが、控訴審では4つのうち2つの事件について犯行を指示したことを認めると主張を一転させ、同じ罪に問われ1審で死刑判決を受けた工藤會のトップ、総裁・野村悟被告(76)の関与を改めて否定した。
弁護人からの質問の終盤、「自身の最期はどうなると思うか」と問われると、田上被告は「獄中死と思います」と回答し、工藤會の今後については、「私が作った会ではないので、しかるべき人に譲り、私も何らかの形で残りたい。工藤會をなくすつもりはありません」と話し、その意図については「普通の人には分からないだろうが、私のようにこの世界でしか生きていけない人間もいる」と説明した。

野村悟被告
一方、同日午後2時から、総裁・野村悟被告の被告人質問が行われ、弁護側の質問で「会長・田上不美夫被告が指示をしたと聞いてどう思いましたか?」という問いに対し、野村被告は「田上も私のことを思いすぎてくれるくらいの人間やから、すまんなと」話し、襲撃を指示したかとの問いには「そんなことはしていない、聞いたこともありません」と改めて4つの事件への指示を否定し、1998年の元漁協組合長射殺事件を巡り、被害者親族とトラブルがあったと認定した一審判決に関し、「作り事だ」と批判。総裁になってから起きた残る3事件についても「隠居」の立場だと主張し、指示を認めなかった。
さらに野村被告は今後、総裁という立場を工藤會からなくし、工藤會との関係を断ち切ると話し、検察側に対し「むちゃくちゃむごいことをしよるんですよ」などとと述べた。裁判長に言っておきたいことを尋ねられると「公正な判断をお願いしたいと思います」と述べ、1審でも主張した「公正な判断」を強調した。
市川太志裁判長は、初公判で弁護側が請求していた証人尋問などの証拠調べをいずれも退け、次回公判を11月29日に指定した。