「異常な事態」オレオレ詐欺、被害急増 福岡で9月72件
息子などをかたる「オレオレ詐欺」の手口による偽電話詐欺の被害が止まらない。福岡都市圏では今月だけで既遂が22件発生し、被害額は約8千万円に上る。22件のうち6件は福岡市南区で起き、同じ日に2度偽電話がかかってきた女性が約630万円を詐取された事件もあった。「爆発的急増で異常な事態」と福岡県警は警戒を強めている。
「投資に失敗した。お金を貸して」。今月、南区の70代女性宅に息子の名をかたる男から電話がかかった。女性が銀行で現金を引き出そうとしたが行員らが説得して難を逃れた、はずだった-。
しかし、女性が帰宅後、再び同様の偽電話がかかった。「体調を気遣ってくれて息子と信じた」という女性は、2度にわたり計630万円を手渡したという。
県警によると、県内のオレオレ詐欺事件は7月10件(既遂4件、未遂6件)、8月はゼロだったが、9月は26日までで約72件(既遂22件、未遂約50件)に急増した。
今月は全て福岡都市圏で発生し、被害者は65歳以上の女性で1人暮らしが大半。現金の受け渡しは、自宅から離れた駅や路上に呼び出し、代理人を名乗る者が受け取る例が多いという。
福岡市南区では、冒頭の女性を含めて今月既遂6件、未遂約10件発生し、約2900万円の被害という。40~50代の同じ県立高校出身者の実家に偽電話が多いため、福岡南署幹部は「高校の同窓会名簿などが流出したのでは」と語る。
県警は自動録音機能が付いた電話機の設置や、子どもや孫世代に「『偽電話はかかってきてない?』と親に連絡して」と呼び掛ける。一方、警察庁は犯行グループの背後に暴力団が関与したケースがあるとして、25日、暴力団の取り締まり強化などを各県警に指示する通達を出した。

「投資に失敗した。お金を貸して」。今月、南区の70代女性宅に息子の名をかたる男から電話がかかった。女性が銀行で現金を引き出そうとしたが行員らが説得して難を逃れた、はずだった-。
しかし、女性が帰宅後、再び同様の偽電話がかかった。「体調を気遣ってくれて息子と信じた」という女性は、2度にわたり計630万円を手渡したという。


今月は全て福岡都市圏で発生し、被害者は65歳以上の女性で1人暮らしが大半。現金の受け渡しは、自宅から離れた駅や路上に呼び出し、代理人を名乗る者が受け取る例が多いという。
福岡市南区では、冒頭の女性を含めて今月既遂6件、未遂約10件発生し、約2900万円の被害という。40~50代の同じ県立高校出身者の実家に偽電話が多いため、福岡南署幹部は「高校の同窓会名簿などが流出したのでは」と語る。
県警は自動録音機能が付いた電話機の設置や、子どもや孫世代に「『偽電話はかかってきてない?』と親に連絡して」と呼び掛ける。一方、警察庁は犯行グループの背後に暴力団が関与したケースがあるとして、25日、暴力団の取り締まり強化などを各県警に指示する通達を出した。
