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神戸山口組実態解明急ぐ、6月めど指定暴力団に

 神戸市灘区に総本部を置く暴力団「山口組」の分裂から2か月が過ぎ、警察当局は、新組織「神戸山口組」を指定暴力団とするための情報収集を本格化させている。山口組や住吉会など指定済みの21団体と同様に、暴力団対策法で規制するのが狙いだ。指定には、新組織の実態を克明に把握しなければならず、通常は年単位の膨大な作業だが、警察当局は、山口組が3年に1度の再指定となる来年6月をメドにしており、主要組織を抱える兵庫県警は情報分析の専従班を設置した。

◆5代目写真

 8月27日の分裂から約1か月後の9月末。県警は、山口組から離脱した最大の直系団体「山健組」(神戸市中央区)の傘下にあった暴力団「健竜会」(同)の捜索に入った。捜査員は室内に飾られた山口組の先代組長(5代目)の写真を見つけ、シャッターを切った。

 分裂に伴う健竜会の動向は不明だったが、山口組から先代組長に近い勢力が離脱した状況では、山口組側の団体が飾ることのできる写真ではないため、県警はこの事実を健竜会が離脱した間接的な証拠とみる。

 捜索は、組織犯罪処罰法違反事件に絡んだもので、押収物はほぼ皆無だった。一方、9月に情報分析の専従班を設置した県警の捜査員は、事務所内にいた男らの名前を聴取し、隅々まで写真に収めていった。

 警察庁などによると、分裂後の捜索は少なくとも、神戸山口組側が延べ17回、山口組側が同29回。県警幹部は「組員名簿を事務所に置くヤクザはいない。捜索での細かい情報や組員の供述が組織構成の解明につながる。詳細がわかるまで何度でも捜索する」と話す。

◆高いハードル

 徹底した情報収集が求められるのは、指定のハードルが高いからだ。指定にはまず、〈1〉組長を頂点とする階層的組織であること〈2〉暴力団の威力を用いた資金獲得活動をしている〈3〉前科を持つ構成員が一定以上いること――という三つの条件を立証する必要がある。

 これらを調べるには、ほぼ全ての組員と傘下団体の構成を割り出さなければならない。その上で、本拠地のある都道府県の公安委員会が、全国の警察が集めた関連資料を確認するとともに、組長ら代表者の意見聴取や、国家公安委によるチェックなどを経て、指定団体と認定することになる。

 最近では、福岡県で2006年7月に発足した九州誠道会(現・浪川睦会)の指定に約1年7か月を要したこともあり、神戸山口組の指定は長期化が懸念されるが、ある警察幹部は「来年6月が一つのメド」と明かす。山口組の指定を3年に1度更新する「再指定」が予定されている時期で、分裂した「二つの山口組」を同時指定する狙いという。

 暴力団対策法では、抗争時に組事務所の使用を禁じることなどができるが、この規定は指定暴力団同士の抗争が前提条件となる。神戸山口組との衝突が起きた場合、山口組側も規制できない恐れがあり、抗争への不安が強まる中、早期の指定が急務となっている。

◆本拠地は?

 「持ち回りで行う」。通常、本拠地で開かれる定例会合の場所について、神戸山口組は兵庫県警の捜査員に、そう話したという。

 神戸山口組は結成直後、他の暴力団組織に送ったあいさつ状に、連絡事務所として兵庫県淡路市(淡路島)の「侠友会」本部の住所を挙げており、同本部が本拠地とみられている。

 だが、県警によると、結成後に開いた3回の定例会合の開催場所は、侠友会本部のほか、神戸市中央区の「山健組」関連施設、同市長田区にある神戸山口組幹部の関連事務所と毎回、異なる。今後、大阪府や岡山県などにある傘下の組事務所を使うケースも想定され、本拠地を明確にしないことで、指定作業を遅らせる意図もあるとみられる。

 神戸山口組山口組の間では、互いの引き抜き工作も激化しており、警察庁幹部は「実態把握に総力を挙げる」とする。

  

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