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暴力団ニュース~ヤクザ゙事件簿

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暴力団が主導する「診療報酬不正請求」が間もなく立件へ 人気の美人女医、芸人も関与!

組対4課が動いた

 月に数百万円をホストクラブで使うと公言する美人女医、千葉県船橋市、市川市、千葉市などで幅広く医院を展開していた著名歯科医、プロスポーツ選手なども利用していたという接骨院……。

 こうした医師や柔道整復師などが行っていた診療報酬不正請求事件が、近く、警視庁組織犯罪対策4課によって摘発される。

 暴力団担当の組対4課が担当するのはなぜか。

 事件の構図を描き、仲介者を利用。経営不振に喘ぐ医師や柔道整復師を集め、患者を用意し、内容虚偽の診療報酬明細書(レセプト)を作成させ、医院が受け取る療養給付費を“山分け”するシステムを作ったのが、広域暴力団だったためである。

 診療報酬をいい加減なレセプトで受け取る事件は枚挙にいとまない。厚生労働省は、今年1月末、診療報酬の不正または不当請求として返還される金額が約146億円にのぼったことを明らかにした。過去5年で最高。前年度から約16億円の増加だが、それでも氷山の一角である。

 地域の信頼される知識層である医師は、不正を働かないという「性善説」によって成り立つ申告制度なので、不正があることを前提としていない。

 ところが不正請求は、日常的に行われている。架空患者のでっち上げ、生活保護受給者を囲い込んでのたらい回し、診察と投薬内容の水増しなど、摘発されれば全て悪質な詐欺。

 ただ、最大の被害者は国であり、健康保険料を支払っている国民だが、目の前でカネが詐取されるわけではないので、被害の実感がなく、不良医師の側の罪悪感も薄い。

 そこに住吉会系暴力団が目をつけた。

組長がトップ。売れない芸人も関与

 トップに位置するのは4次団体の組長である。その下に配下がいて、それぞれが医師・柔道整復師をかかえる。暴力団構成員と医師・柔道整体師をつなぐのは金融ブローカーなどの仲介者。高利金融を営む彼らの耳には、窮乏した医院のニュースが入ってくる。

 医師・柔道整復師を囲い込むと、今度は患者を用意しなければならず、そこに登場するのは、暴力団構成員の妻や愛人、友人知人、仲間の半グレなどの仲介役であり、彼らがアルバイト感覚の被保険者を見つけ、医師・柔道整復師につなぐ。

 組長以下の暴力団構成員は10名を超え、医師の数も同程度、仲介役を経てアルバイト感覚で詐欺に加担した被保険者の数は、延べ人数で数百名に達する。被保険者には、多数の「食えないお笑い芸人」が含まれていた。

 関係者の数が多いだけに、組対4課は粘り強く捜査している。事件は一度の逮捕だけでは終わらず、何度も繰り返しながら暴力団と医師・柔道整復師が組んだ新種の診療報酬詐欺事件を立件する。

 今回、詐取した給付金額が医師とほぼ同額になるのが柔道整復師。彼らは、都内の商業地や住宅地で接骨院を営んでいるが、医師と同様、健康保険の適用を受けている。戦前からの既得権益で、今のように医療機関が発達していない時、骨折、脱臼などを接骨院で対処していた歴史からだ。

 今は、そうした大きなケガは整形外科で対応する。接骨院では肩こりや腰痛などの慣習化した症状の患者が多いが、それでは健康保険の対象にならないと、捻挫や肉離れに変えて治療している。それも診療報酬不正請求だが、今回は、患者に仕立て上げるというもっと悪質な不正請求だった。

 レセプトを不正請求して診療給付金をだまし取る今回の手口は、振り込め詐欺や野球賭博の犯罪構図に似る。

 振り込め詐欺の場合、活動資金を用意、元締めとなるのは暴力団幹部で、その配下が幾つもの会社を使って、パンフレットなどを作成、電話で勧誘する「掛け子」と呼ばれる人間を雇い、引っかかった老人がいれば、末端の「受け子」がカネの受け取り役になる。

 犯罪最前線にいるのは、「掛け子」であり「受け子」だが、こうした末端は、元締めの正体を知らされておらず、摘発しても暴力団に行き着けないことが多い。元締めが暴力団ではなく半グレの場合も、ケツ持ちという形で必ず暴力団が関与しているのだが、犯罪収益の解明までには至らない。

いち早く警鐘を鳴らす

 野球賭博も同じである。ハンデ師を雇い、カネを用意、野球賭博の胴元を務めるのは暴力団幹部であることが多い。構成員でなかったとしても、その背後に回収役として暴力団幹部が控えており、野球賭博はおおむね、いずれかの広域暴力団の影響下にある。

 ここでも末端の勧誘役は、クラブの黒服や飲食店経営者、あるいは野球賭博で話題になった巨人軍選手の窓口となっている「税理士法人に勤務するA氏」のような遊び人である。巨人軍の選手はもとより、A氏から胴元に遡るのも容易ではない。

 ピラミッドの頂点に暴力団幹部がいて、振り込め詐欺や野球賭博と同様、末端の「被保険者」を囲い込んで医療費を詐取するというシステムは、新しさと目の付け所の“良さ”に驚嘆する。もちろん感心するのではなく、その芽を潰していくのが捜査当局とマスコミの役割だろう。

 医療と介護を合せて56兆円にも達する日本の現状を考えれば、この巨額予算に目を付け、その収奪に工夫を凝らす反社会的勢力がますます増える。今回の事件は、その構図を暴き、いち早く警鐘を鳴らす。幸い、マスコミ受けする美人女医の存在もあって、大きく報じられよう。

 組対4課が摘発する意味と意義がある捜査となりそうだ。

  

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