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暴力団関係の労働者受け入れで業者側に指導措置 東根の職安法違反事件/山形

 東根市の暴力団幹部が労働者2人を不正に同市内の建設業者に供給し、賃金の一部を搾取していた事件で、村山署は1日、供給先の「オオヒロ工業」(東根市)に対し、山形県暴力団排除条例に基づく指導措置として注意書を交付した。暴力団が民間の業務に介入して活動資金を得ようとする手法は年々、巧妙化。県警は暴力団から供給された労働者と知りながら同社が受け入れたことなどが「活動を助長し、利益を供与した」と判断した。

 県警によると、同条例では事業者に対し、暴力団の活動を助長しかねない取引や利益の提供を禁じており、禁止行為をした業者を指導している。指導は3例目。暴力団幹部から労働者を供給されたと知りながら業務に従事させた理由について同社は「(暴力団幹部とは)長い付き合いだったから」と話しているという。指導は同社の代表者を同署に呼び、署長名の注意書を直接、手渡した。代表者は「迷惑を掛けました」などと述べたという。

 この事件を巡っては、指定暴力団住吉会系幹部組員の東根市神町東3丁目、無職荒井好憲容疑者(43)が職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)と労働基準法違反(中間搾取の排除)の疑いで逮捕、起訴されている。県警は供給先についても刑事責任の疑いがあるとし、同日までに両法違反容疑で書類送検した。  送検容疑は2013年4月上旬ごろから14年10月下旬ごろまでの間、暴力団幹部組員から供給された労働者2人を自社の業務に従事させ、その間の給与の一部(計約260万円)を支払わなかった疑い。

「個人的付き合い」に厳正対処
 暴力団と知りながら「昔ながらの付き合いで」と、関係を継続させているケースは全国的に後を絶たない。今回指導された建設業者も長い付き合いを理由に、暴力団幹部の仕事に協力したという。本人にとって「人付き合い」でも、結果的に反社会的勢力に活動資金が回る構図は見過ごせない。捜査関係者は「暴力団とは持ちつ持たれつだ―という旧態依然とした考えの人もいるが、もうそんな時代ではない」と言い切る。

 捜査当局は暴力団の壊滅を目指し、特に資金源を絶つ取り組みを強化しているが、法の抜け穴を探すように、暴力団の資金獲得方法は巧妙化の一途をたどっている。全国的には暴力団関係者が補助金をだまし取る事件も起きている。素性を隠して接触してくるケースもある。

 暴力団と分かった際に、相手の要望を堂々と拒否できる土壌づくりも欠かせない。暴力団排除条例は組織暴力に立ち向かうための「盾」だ。その趣旨を理解し、市民一人一人が順守する機運をより一層、醸成することが求められる。

荒井被告に実刑判決 山形地裁
 労働者を違法に供給し、賃金を搾取したとして、職業安定法違反と労働基準法違反の罪に問われた、指定暴力団住吉会系幹部組員で東根市神町東3丁目、無職荒井好憲被告(43)の判決公判が1日、山形地裁であり、寺沢真由美裁判官は懲役10月(求刑懲役1年)の実刑を言い渡した。

 判決で、寺沢裁判官は「多数回にわたって計約260万円もの賃金を中間搾取しており、犯状は悪質だ」と指摘。2013年3月に同様の罪で有罪判決を受け、その執行猶予期間中の犯行であり「規範意識に欠く」と断じた。

 判決によると、荒井被告は2013年4月上旬から14年10月下旬までの間、労働者2人を市内の建設業者に供給し、岩手県内の工場でコンクリート製品製造などの仕事をさせ、2人の賃金計約816万円から計約260万円を搾取した。

  

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