暴力団ニュース～ヤクザﾞ事件簿

>>関連記事
　兵庫県警暴力団対策課と西宮署などは１５日、兵庫県西宮市で昨年３月に運送会社の社員寮に銃弾が撃ち込まれた事件で、事件前日に車のナンバープレートを盗んだとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系「二代目兼一会」幹部・儀保幸徳容疑者（５２）＝大阪市東淀川区＝と、無職・山本勝己容疑者（５２）＝東淀川区井高野＝を窃盗の疑いで再逮捕した。同課は２人の認否を明らかにしていない。


兵庫県警察本部

　儀保容疑者らは昨年３月２日午後１１時５５分ごろ、大阪府摂津市の駐車場に止まっていた軽乗用車のナンバープレート２枚を盗んだ疑い。発砲事件で使われたとみられるレンタカーに盗まれたナンバープレートが付けられていた。

　この事件では社員寮に拳銃で弾丸４発を打ち込んだなどとして、儀保容疑者を含む兼一会幹部や組員ら５人が銃刀法違反容疑などで逮捕されている。

　福岡県警は１５日、福岡県を中心に兵庫、滋賀や愛媛、北海道など６道県で約４０人の客に覚醒剤の密売を繰り返したなどとして、特定危険指定暴力団・工藤会系幹部・熊谷二朗被告（４２）＝住所不定・覚醒剤取締法違反で起訴＝ら計６人を覚醒剤取締法違反などの容疑で逮捕、書類送検し、捜査を終えたと発表した。


福岡県警察本部

　熊谷容疑者と仲間の男は共謀して２０２０年６月６日、大阪市中央区内のホテルの一室で、覚醒剤約１００グラム（末端価格約６００万円）や液体大麻約１００グラム（末端価格約１００万円）を密売目的で所持するなどしたとしている。県警は熊谷容疑者を中心とする密売グループが２０２０年４月～２０２１年９月、約４０人の客に覚醒剤を密売し、代金は他人名義の口座に振り込ませ、約１０００万円を売り上げていたとみている。調べに対し熊谷容疑者は黙秘している。

　福岡県警は大阪府警と共同で捜査。熊谷容疑者らが偽名で宿泊していた大阪市内のホテルを捜索し、客の名前と送り先が記載された宅配伝票などを押収。大阪市内の複数のマンションからも宅配伝票などが見つかり、覚醒剤は大阪市内のコンビニエンスストアなどから客に発送していたという。

　熊谷容疑者を中心とする密売グループは、福岡県警の取り締まりが厳しい福岡を避け、大阪市の歓楽街・ミナミを拠点に約１０人で構成、売り上げの一部が工藤会の資金源につながった可能性があるとみて調べている。

　静岡県警富士宮署は、静岡県富士市の歯科医師から「みかじめ料」として現金を脅し取ったとして、特定抗争指定暴力団・六代目山口組系藤友会若頭で五代目大石会会長・丸田忠章容疑者（５２）＝富士市天間＝と、幹部・遠藤幸康容疑者（４９）＝富士宮市星山＝の２人を組織的恐喝の疑いで逮捕した。


静岡県警富士宮警察署

　２人は２０２１年８月下旬、富士市で歯科医院を営む６８歳の歯科医師からみかじめ料として現金１０万円を脅し取った疑いがもたれている。歯科医師は２０１５年に医院に通っていた遠藤容疑者から約１００万円の借金をしたのをきっかけに、毎月のように現金を要求されていたという。歯科医師は「暴力団が怖くて断れなかった」などと供述している。

　県警はこの歯科医師を、３年前から去年にかけて患者に治療費を水増しして請求したなどとして詐欺などの罪で逮捕・起訴していて、水増しで得た金が暴力団の資金源となっていた疑いもあるとみて捜査している。

　北海道警旭川中央警察署は１４日、２０２１年１１月に北海道旭川市にあるバーの店内で起きた、いずれも特定抗争指定暴力団・六代目山口組傘下の「旭導会」組員と「茶谷政一家」組員らの乱闘事件で、組員と関係者ら５人を傷害の疑いで逮捕した。


北海道警旭川中央署

　逮捕されたのは、いずれも旭導会組員・東駿佑容疑者（２８）＝旭川市＝と、松原朗容疑者（４０）＝旭川市＝の２人と、茶谷政一家組員・伊藤圭亮容疑者（２７）＝住所不定＝と、知人の男性会社役員（２７）＝旭川市＝とバーの男性店長（２７）の３人。同署は５人の認否を明らかにしていない。

　事件は２０２１年１１月７日午前３時３０分ごろ、旭導会組員・東容疑者と松原容疑者が旭川市４条通7丁目（通称「３・６街」）のバーに乗り込んできて、店内にいた茶谷政一家組員・伊藤容疑者を木刀で殴るなどしてケガをさせた。

　東容疑者と松原容疑者はすぐにバーから立ち去ったが、１時間半ほど後に東容疑者だけが再びバーに現れ、報復として伊藤容疑者と男性会社役員、バーの男性店長の３人が、東容疑者を殴ったり蹴ったりしてケガをさせたという。

　東容疑者と伊藤容疑者は頭などに全治２週間のケガをしたがどちらも軽傷。内偵捜査の結果、事件が発覚し５人の容疑が固まったため１４日に逮捕した。

　道警は、札幌市が拠点の茶谷政一家と旭川市が拠点の旭導会という同じ山口組系組織同士が、利権争いなどをきっかけに今回の事件に発展した可能性もあるとみて、動機や背景などを詳しく捜査し、抗争への発展を警戒している。