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殺人容疑で指名手配の容疑者 神戸山口組は「音信不通」と説明

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 9月12日に神戸市で「任侠山口組」組員が射殺された事件で、神戸山口組側が、殺人容疑で指名手配された同組直系「山健組」傘下組員、黒木こと菱川龍己容疑者(41)について「数カ月前から音信不通になった」と説明していることが分かった。

菱川龍己
菱川龍己容疑者
 事件から19日で1週間。兵庫県警長田署捜査本部は、菱川容疑者を偽装離脱させた上での組ぐるみの犯行の可能性を視野に捜査しているが、事件の全体像は依然謎も多い。

 ■上層部関与も捜査

 捜査関係者によると、任侠山口組の織田絆誠代表(50)の警護役だった楠本勇浩組員(44)を射殺したとされる菱川容疑者は、もともと神戸山口組井上邦雄組長(69)の付き人だった。

 しかし、神戸山口組側は捜査本部に対し、6月に井上組長が兵庫県警と京都府警に相次いで逮捕された後、菱川容疑者は組を去ったという趣旨の説明をしているという。

 捜査本部は他にも数人が事件前に組織を離脱したとの情報を得ており、菱川容疑者らが組とは無関係と装うため、あらかじめ偽装離脱した可能性があるとみて捜査。井上組長ら組上層部が事件に関与した疑いがないか慎重に調べている。

 捜査本部はさらに、神戸市北区の路上で16日に見つかった回転式拳銃2丁と菱川容疑者の身分証も、意図的に置かれたとみて捜査。ある捜査関係者は「確実な証拠を残して姿をくらますことで、上層部への突き上げ捜査を遮断する狙いがあるのでは」と推測する。

 ■なぜ代表襲撃せず

 事件では、織田代表らが乗った3台の車列が幹線道路に出ようとした際、行く手を阻むように菱川容疑者の車が衝突。楠本さんともみあい後、発砲に至った。捜査関係者によると、衝突した車が数日前から現場近くの駐車場に止まっていたことも新たに判明するなど、犯行計画の綿密さが明らかになっている。

 ただ、捜査本部内では「織田代表を殺そうと思えば殺せたはずなのに、なぜできなかったのか」という疑問もくすぶっている。

 近くの防犯カメラには菱川容疑者とは別に、拳銃のようなものを構えて車列に近づく不審な男の映像も残っている。しかし、菱川容疑者と楠本さんがもみあう間に発砲せずバイクで逃走した。捜査幹部は「思わぬ反撃を受けて戸惑ったのか。背景をさらに調べる必要がある」としている。

 ■県警が警戒を強化

 事件後、神戸市中央区の山健組の関連施設では、組員が交代で待機するなど緊迫した状態が続く。

 市街地での銃撃事件を受け、県警は県内各地の組事務所周辺の警戒を強化。抗争事件が今後続いた場合、暴力団対策法に基づき、事務所の使用などが厳しく規制される「特定抗争指定暴力団」に神戸山口組を指定することを検討する。

  

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