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“殺し”の代償4億円、「善良」な仮面をかぶった上司の正体は…

 “殺し屋”を雇い部下の命を奪った社長が、その報酬と口止め料名目で4億円をむしり取られた末、逮捕された。静岡県富士市の富士山麓(さんろく)で平成18年10月、東京都江戸川区の元運送会社役員、栩野(とちの)雅晴さん=当時(66)=が白骨遺体で見つかった事件。不動産取引をめぐるトラブルなどから殺人を依頼したとして逮捕された同社社長の寺岡誠吉容疑者(71)は、栩野さんの墓前で神妙に合掌するなど“善良な上司”を演じていた。警視庁はその仮面を2年余りの捜査で徐々にはいでいった。(高久清史)

■「早く犯人を逮捕して」…捜査員もあきれ顔の迫真演技

 平成18年9月7日午後5時50分、江戸川区の駐車場で栩野さんが車から降り、妻が夕食を作って待つ自宅に帰ろうとしたときだった。

 元暴力団組員の野崎稔容疑者(51)ら実行犯3人がいきなりつかみかかり、車に押し込めて、粘着テープで栩野さんの手足を縛り上げた。駐車場には栩野さんの顔から落ちたメガネだけが残された。

 野崎容疑者ら3人と栩野さんはまったく面識がなかった。犯行は寺岡容疑者の依頼によるものだった。

 車は近くの飲食店の駐車場に移動。野崎容疑者は、依頼者の寺岡容疑者との仲介者となった喰田(しょくた)康裕容疑者(41)から約1600万円の報酬を受け取り、その場を立ち去った。高速道路を移動中の車内で栩野さんの顔にポリ袋をかぶせるなどして窒息死させたとみられる。

 栩野さんの遺体は約1カ月後、静岡県富士市の富士山麓の山林で白骨化した遺体で見つかった。

 遺体が運ばれた静岡県警富士署。身元が確認され、中国出身の栩野さんの妻が遺体と対面するときには寺岡容疑者も同行した。

 「社長、先にやってよ」

 線香の上げ方が分からなかった妻が声をかけると、寺岡容疑者は横で体をブルブルと震わせていた。

 「1日も早く犯人を逮捕してください」

 寺岡容疑者は涙を流しながら、警視庁の捜査員にこう訴えていたという。

 「たいした役者だよ。われわれも最初は疑わなかった」と捜査員。寺岡容疑者は妻が警察に捜索願を提出する際には付き添い、火葬では一緒に遺骨を拾った。納骨式では喪服で数珠を持ち、神妙な面持ちで合掌していた。

 「必ずホシ(犯人)は逮捕されるから」

 こんな言葉で妻を励ますこともあったという。

 しかし、事件解決を訴えていた寺岡容疑者は、喰田、野崎の両容疑者ら5人の仲介者や実行犯とともに、今年11月から12月にかけて、死体遺棄容疑で逮捕、殺人容疑で再逮捕されることになる。

■「誰が得をする?」…捜査の出発点

 遺体発見で警視庁捜査1課が本格捜査に乗り出すことになり、「栩野さんが死亡することで、いったい誰が得をするのかを調べた」(捜査員)。

 聞き込み捜査で、寺岡容疑者が「善良な上司」の仮面をかぶっていた実態が少しずつ浮かび上がってきた。

 栩野さんは10年以上前から寺岡容疑者と投機目的の不動産取引を手がけて多額の利益を上げており、寺岡容疑者はその見返りとして16年に栩野さんを役員として自分の会社に迎え入れた。

 しかし事件の約3カ月前、不動産取引で購入した千葉県佐倉市の土地について、栩野さんが会社ではなく自分名義にしたことで2人は衝突。事件直後には、寺岡容疑者が栩野さんの妻に「おれが金を出したんだから、名義を変更してくれ」と迫っていた。

 捜査1課は、寺岡容疑者が栩野さんに会社の発行株式の数十%を譲渡する約束をしたが、実際には譲渡せず、2人の関係が悪化していたこともつかんだ。

 遺体発見前には、生存を信じる妻に「あんたの家にはご主人の影がある」と意味深長な言葉を口にし、社員には「死んでいるんじゃないか?」と軽口をたたいてもいた。社葬をかたくなに拒むことで周囲を不審がらせており、このころには、「誰からみても怪しい男」(捜査員)になっていた。

 寺岡容疑者は徐々に狭まる捜査網を肌で感じたのか、知人らに「犯人だと疑われているんだ」「車にロープがある。おれはいつでも死ねるよ」などと漏らすようになった。

■“殺しの依頼”が弱みに…点が線でつながった

 「寄せ集めの集団で『殺し』という凶悪犯罪を行った場合、情報は必ず漏れるんだよ」と捜査幹部。

 その言葉通り、別の強盗事件で逮捕された男が「野崎容疑者から、栩野さんを襲う計画を持ちかけられたが断った」と供述したことで、暴力団組員だった野崎容疑者が捜査線上に浮上した。

 野崎容疑者は親しい人間に栩野さんの殺害をペラペラとしゃべっており、周辺の捜査からほかの実行犯2人も浮かび上がってきた。2人からは「野崎容疑者に誘われ、栩野さんの首を絞めて殺した」といった供述が得られたり、殺害状況などを詳述した上申書の提出を受けたりした。

 野崎容疑者は昨年4月に中国に逃亡していたが、逃亡中は逃走資金を受け取っていた。しかし、その金額は月数万円程度。捜査関係者によると、金に困った野崎容疑者は知り合いの暴力団関係者に寺岡容疑者の関与を暴露し、寺岡容疑者から金を引き出すよう依頼したとされる。

 「“殺しの依頼”という弱みを握った人間たちが寺岡容疑者に群がり、金をむしり取った」(捜査員)構図だ。

 寺岡容疑者が事件絡みで支払ったとみられる金は約4億円に上る。事件当日に実行犯に渡された金額が1600万円だったことから、4億円の大半は口止め料名目だったとみられる。

 寺岡容疑者は事件後、自宅の土地を担保に5000万円を借り入れるなど金銭的に困窮。こうした状況は捜査陣の目にとまり、金の流れを丹念に調べた結果、寺岡容疑者、仲介者、野崎容疑者の“点”がひとつの“線”でつながった。

 ただ、「寺岡容疑者の身柄を取る(逮捕する)ためには野崎容疑者の供述を得て、突き上げていく必要があった」(捜査幹部)。事件解決のキーマンとなる実行犯グループのリーダーの野崎容疑者が中国にいる間、捜査は手詰まりの状態が続いた。

 今年9月、事件は急展開を見せ始める。

 警視庁が野崎容疑者抜きで寺岡容疑者や実行犯らの逮捕に踏み切ろうとした直前、野崎容疑者が他人名義の旅券を使っていた疑いで、中国当局に身柄を拘束されたからだ。

 野崎容疑者は10月に強制送還され、横浜市の会社経営者の男性を拉致して現金約3900万円を奪った強盗事件で、神奈川県警に逮捕された。“完落ち”の野崎容疑者はその後、栩野さん殺害を全面的に認める上申書を警視庁に提出した。

■「1日も早くやれ!」むきだしの憎悪…妻は人間不信に

 「栩野に会社を乗っ取られると思った。会社や金のことで苦しめられた」

 警視庁の取り調べに、栩野さんへの恨み節を口にする寺岡容疑者。調べなどによれば、事件約1年前の17年秋ごろにも、仲介者に栩野さん殺害を依頼していたとみられる。

 栩野さんが同年暮れごろに中国・上海へ旅行する際に殺害を実行する計画が立てられ、野崎容疑者ら今回の実行犯3人とは別の人間が殺害を請け負った。しかし襲撃の機会がなく、計画は失敗に終わった。

 寺岡容疑者は憎悪を募らせ、仲介者に「1日も早くやれ!」と犯行をけしかけるようになったという。

 「殺害を裏で指示していた人間が、平然と私のそばにいた。考えるだけで、恐ろしいことです」

 栩野さんの妻は、そう話す。

 警察への捜索願を一緒に提出し、遺体確認にも付き添い、墓前では神妙な面持ちで合掌していた寺岡容疑者。“善良な上司”の仮面の裏に隠されていたのは、恨みや焦り、身勝手な憎しみといったドロドロとした強い感情だった。

 「私は寺岡容疑者のせいで、人間のことが信じられなくなった」

 妻の悲痛な叫びは寺岡容疑者に届くのだろうか。

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