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日本初の刑務所のラジオ生放送 DJは住職 受刑者に響く1曲/富山

「こんばんは。すっかり寒くなりましたね。きょうのテーマは『今年1年を振り返って』です。みなさんはどんな1年を過ごしたのでしょう」

 午後7時半、軽快な声が響き、いつものように番組が始まった。毎月1回、月末の月曜日に放送される富山刑務所内限定のラジオの生番組「730ナイトアワー」だ。

 DJを務めるのは地元の曹洞宗「清源禅寺」住職、川越恒豊(67)。「方丈豊」という名で、昭和54年の放送開始以来29年間、一度も休まず続けてきた。

 番組は、受刑者がリクエスト曲とともに添えてくる200字以内のコメントを紹介しながら進められる。

 《2人の子供がいます。ダメなパパでごめんね》

 《70を過ぎた年老いた母が面会に来てくれました。ずっと心配をかけてばかりで、申し訳ないです》

 受刑者はさまざまな思いをコメントに託し、彼にぶつけてくる。

 テレビはすべて消され、受刑者全員が聞き入る。「放送中はいざこざもなくみな静かになる。それだけ楽しみにしているんですよね」と看守長は言う。

 方丈は「なぜ罪を犯したのか」などと責めたりはせず、受刑者が寄せるコメントにやさしい言葉を添えていく。

 「なるほど。二度とここに戻らないようにね。心の鏡を磨きましょう」

                   ◇

 方丈が“しゃべり”を覚えたのは学生時代にさかのぼる。日曜教室で子供たちに紙芝居や人形劇を披露するうちに持ち味の「アドリブ」を会得した。卒業後、永平寺で修行中に父親が病気で倒れ、翌年に他界。24歳の若さで住職に就いてからも「坊さんらしくないしゃべり」が評判を呼び、司会や講演を務めるようになった。

 地元ラジオ局の看板番組のパーソナリティーを担当していたとき、刑務所職員から「ぜひうちでも」と頼まれた。ギャラ0円の完全ボランティアだったが、方丈はふたつ返事で快諾した。

 こうして誕生した刑務所ラジオ生番組。初めてのリクエスト曲はジュディ・オングの「魅せられて」だったという。受刑者は当時、収容定員に満たない350人程度だったが、毎回180通にのぼるリクエストが届いた。

 「1回の放送で15曲前後しかかけられず、競争倍率は高かったですね」

 今でも70通前後のリクエストが来る。開局当時は北島三郎や森進一らの演歌が中心だったが、最近は横文字中心のポップスが多い。この日も浜崎あゆみやコブクロ、SPEEDらの曲が続く。それでも方丈は「歌は訴えるという意味がある。受刑者の心に必ず響くはず」という。

                   ◇

 刑務所では、さまざまな過去を抱えた受刑者が暮らす。方丈の声は「1曲の歌とともに、受刑者の心のすき間を埋め、更生に一役買ってきた」と看守長は話す。

 50代も後半にさしかかった受刑者もその一人だ。少年時代、彼の家庭は荒れていた。父親は酒をあおっては、母親に暴力を振るった。ある日、暴れた父親の拳で、母親の目は視力を失い、父親は2人を置き去りにして姿を消した。

 育ち盛りだった彼が、失明した母親に天ぷらやフライをせがんだとき、母は「揚げ物は、お母さんにとっては一番危険な料理なの。そんなに食べたいのなら、買っておいで」と小銭を握らせた。精いっぱいの愛情だった。

 だが母の気持ちが彼の心に響くことはなかった。非行に走り、やがてヤクザに身を落とした。そして犯罪に手を染めて、富山刑務所に流れ着いた。

 彼は刑務所で食事に出される揚げ物をかみしめる度に、今は亡き母親の記憶がよみがえるという。

 《思えば、自分が料理してあげればよかったと思います。ヤクザになり、何ひとつ親孝行ができなかったことを悔いています。どうか先生、母親のためにお経をあげてください》

 彼のリクエスト曲は「おふくろさん」だった。方丈は言う。

 「自分のことしか考えられないから罪を犯す。他人への配慮ができて初めて更生の道が開ける」

 午後9時。消灯時間とともに番組は終了する。今年1年を振り返ってというテーマで送られた332回目の放送も、最後の松山千春の「生命」を迎えた。

 「今晩はこのあたりで。おやすみなさい」。受刑者たちはそれぞれの余韻を胸にそっと目を閉じた。=敬称略

 (文・森本充)

                   ◇

【用語解説】富山刑務所

 26歳以上で刑期が5年未満の受刑者が収容されている。うち初犯は15%で、受刑者の平均服役回数は4・7回と高い。暴力団関係者が多く、罪名は窃盗や詐欺、恐喝など。定員は515人だが、刑法犯の認知件数の増加とともに平成12年ごろから定員オーバーになる。一昨年の受刑者数は1日平均516人。ラジオ生番組とともに刑務作業にみこし制作を取り入れるなど、特色のある更生に力を入れている。

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