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振り込め詐欺:中国人組織 実行役に日本人雇い犯行

 中国人の組織が、日本人の元暴力団員や中国人留学生を雇い、大規模な振り込め詐欺を行っていたことが12日、愛知・福島両県警の合同捜査本部の調べで分かった。詐欺の実行役を日本人にやらせる一方で、詐取した金の受け渡しには関与させないなど日本人を巧みに利用していた。捜査本部は今月10日にナンバー2格の中国人の男(36)を逮捕。組織の全容解明を急いでいる。

 10日に支払用カード電磁的記録不正作出器械原料準備容疑で逮捕されたのは、横浜市中区野毛町1、調理師、範偉容疑者。容疑は、範容疑者が08年9月10日、横浜市中区のカラオケ店で、キャッシュカードを不正に複製するため、情報読み取り機などの機材を中国人の男A(28)とB(22)=窃盗罪などで公判中=に渡したとされる。捜査本部によると、範容疑者は「かばんを渡しただけで何に使うかは知らなかった」と容疑を否認している。

 捜査本部によると、組織の手口は、警察官役が被害者に「通帳が勝手に作られている。銀行協会の者にキャッシュカードを渡してほしい」と電話し、協会職員役の日本人が被害者宅を訪問し、カードをだまし取ったり、カードを読み取り機にかけてデータを盗み取っていた。日本人はAやBにカードやデータを渡し、1日数万円の報酬を受け取っていた。

 次にAやBは、データから作った偽造カードや本物のカードを中国人に渡し、被害者の預貯金を引き出させていた。被害総額は08年9~11月に愛知、大阪、千葉など8府県で約5000万円に上る。

 捜査本部によると、引き出し役の中国人は横浜の中華街などで、範容疑者から「月50万円で簡単な仕事がある」などと勧誘されていた。また訪問役の日本人も、AやBの人脈で金に困った元暴力団員らを集めていた。捜査本部は、範容疑者がカードの偽造方法を教えるなど国内のリーダー格だったとみている。

 だが詐欺罪での立件は難航している。詐欺罪で起訴されたのは、カードをだまし取っていた日本人だけ。捜査本部によると、AやBは日本人とは携帯電話で連絡をとっているため面識がなく、共犯関係の立証が難しいため、窃盗罪などでの起訴にとどまっている。また中国にいるとみられる組織のトップの素性や詐取した金の流れも、日本人は全く知らないという。捜査本部は組織の全容解明のため、範容疑者らを追及している。【秋山信一】

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