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暴力団ニュース~ヤクザ事件簿

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全国ヤクザ事情

結婚詐欺師の本領発揮?弁舌さわやか「暴力団に脅された」「『被害者の会』のせいで…」

 「妊娠させようが、当時は何とも思わなかった」。交際相手の女性8人に「結婚しよう」と嘘を言い現金計約1200万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた無職の男性被告(38)の公判。被告人質問では被害者への謝罪を口にしつつ、これまで打ち明けていなかったという犯行動機について口を開いた。

適齢女性にウケる「設定」とは…

 起訴状によると、被告は平成19年8月~24年7月にかけ、交際していた28~40歳の女性8人に対し、新婚旅行や結婚後の新居購入の費用として現金計約1200万円をだまし取ったとされる。昨年9月、東京地裁で開かれた初公判では「間違いない」と起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述や証拠調べによると、被告は無職だったが、教員やスポーツトレーナー、出版社社員など職業を偽り、婚活パーティーなどを通じて被害者に接近。「職業は学校教師、実家は京都の旅館」というのが特に頻繁に使用された設定で、「貯金は多くないが安定し、実家には資産がある、というのが信用された」(被告の捜査段階の供述)という。

 被害者の両親にあいさつしたり、高級宝飾店に連れて行き結婚指輪を目の前で注文したりすることで結婚の意志を強調した被告。将来を疑わずに妊娠し、被害発覚後に中絶を余儀なくされた女性もいた。

 被告は昨年夏に逮捕、起訴されたが、その後同様の結婚詐欺についての追起訴が相次ぎ、審理が長期化。初公判から約9カ月を経て6月24日、ようやく被告人質問が実施された。

 弁護側は質問に先立ち、被告の謝罪文を証拠として提出。「逮捕されたのは当然の報いです」「自分は醜くあこぎだった。私のような詐欺師は人間のクズです」との記述が法廷で読み上げられた。


結婚詐欺は「やむを得なかった」?

 しかし、証言台に立った被告の口から真っ先に飛び出したのは、被害者側に対する怒りの言葉だった。弁護人から結婚詐欺に手を染めたきっかけを問われ、こう答えた。

 被告「きっかけは、被害者の会のホームページが開設されて、普通の仕事ができなくなってしまったことでした…」

 被告の名前を冠した「被害者の会」HPは平成21年に開設され、同様の被害を受けたと訴える女性が相次いで書き込みを寄せていた。被告の説明によると、犯行を繰り返したためにHPが立ち上げられたのではなく、逆に書き込みで「誹謗中傷」が繰り返され仕事を辞めざるを得なくなったため、やむなく結婚詐欺を行ったのだという。

 事実は約10年前、交際相手の女性からの借金返済が滞っただけだとする被告。その主張に沿うとして、そもそも借金が生じた理由は何だったのか。被告は続けた。

 被告「10年前、当時やっていた事業がうまくいかず、女性から借りた金で自転車操業をしていたんです。この状況に目を付けた暴力団に脅迫され、何千万円か請求された。逮捕直前まで要求が続いたため、金が必要だったんです」

 弁護人「これまで、なぜ話をしなかったんですか?」

 被告「はじめのころ、警察署に相談したこともあったが、警察から情報が漏れて暴力団事務所に監禁されることもありました。捜査機関は信用できないと思って、話をしませんでした」

キャバ嬢を風俗売り込み

 続いて質問に立った検察官は、突然の被告の弁解が不合理であることを立証しようと、暴力団トラブルの詳しい経緯を問いただしていく。これに対し、被告は相談した警察官の名前や部署について「覚えていないが、捜査資料を見直せばすぐ分かるはずだ」と説明。暴力団員の氏名は「ここでは言えない。弁護士を通じ、後で伝えることはできる」などと述べ、明言しなかった。

 検察官から「確認がとれれば、あなたに有利な事情になるが」と水を向けられても、きっぱりと言い放った。

 被告「私はこの場で話せる真実を正直に話すだけ。それで減刑を求めているわけではありません」

 そもそも脅迫の「ネタ」になるトラブルが何だったのかも判然としないが、被告は真剣な表情で“真相”を訴え続けた。

 また、被告は被害者からだまし取った金の一部をキャバクラなどの遊興費に充てていた点について、こう釈明した。

 被告「自分が楽しむところもあったが、従業員の女性を口説いて、風俗に紹介する目的もありました」

 弁護人「知り合った女性を風俗に誘い、紹介料を得るということ?」

 被告「紹介料はもらっていません。ただ暴力団に紹介するだけでした。脅されていたので」

被害者妊娠に「後悔」

 一方、被害弁済の話に移ると被告は一転して神妙な面持ちを浮かべ、謝罪を繰り返した。

 被告「反省していると言っても信用されないほどの傷を与えてしまいました」

 弁護人「妊娠、中絶した被害者もいますよね」

 被告「当時は別に犯行を悔やんだりしていなかったが、今は言葉になりません」

 被害者のほとんどが示談交渉に応じていない点を問われると、まっすぐに前を向き言葉に力を込めた。

 被告「所持金もなく、今、私を信用してくれというのが無理。裁判で示談する、しないではなく、反省している姿を風の噂などで見聞きしてもらった上で、弁済金を受け取ってもらえたらいい」

 話術を生業としてきた被告。法廷で訴えた“真実”と“反省”は裁判官、被害者の胸に届いただろうか。公判は7月12日の次回期日で検察側の論告求刑などが行われ、結審する。

露天商、朝日新聞記者脅迫の疑いで逮捕

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 兵庫県警は30日、露天商が加入する兵庫県神農商業協同組合が暴力団幹部に用心棒代を支払っていたとされる問題を取材していた朝日新聞神戸総局の男性記者(30)を脅したとして、脅迫の疑いで同県加西市の露天商伊藤哲也容疑者(48)を逮捕した。

 県警によると、2人に面識はなかったが、電話は記者の携帯電話にかかってきた。記者は取材の際、伊藤容疑者の親方に当たる組合の副理事長(70)に携帯番号の入った名刺を渡しており、県警が経緯を調べる。

 逮捕容疑は29日午後1時5分ごろから20分ごろにかけて「大げさに書きやがって。露天商はこれから商売できひんねん。あんたの家族も1週間以内に終わらせたるから、今のうちに親孝行しとけよ」などと脅した疑い。

 組合は兵庫県の認可法人で約200人の露天商が加盟。露天商同士のトラブルを防ぐため、2011年に西宮支部長が指定暴力団山口組系組員に計80万円を渡したことが発覚、勧告を受けた。だが昨年3月~ことし4月にも、副理事長らが、別の組幹部らに計350万円を渡していた。

 県公安委員会は6月27日、県暴力団排除条例に基づく勧告後も用心棒代を支払っていたとして組合名を公表。県警も露店運営をさせないよう自治体や祭りの主催者に要請を始めている。

 朝日新聞社広報部は「記事に関して記者を脅迫することは許し難い行為。厳正な捜査を求めます」とコメントを出した。

愛知・警官脅迫:「内通者」揺れる県警 山口組系に漏えいか 警部脅迫で証言続々

 ◇「最高2000万円で買収したと聞いた」
 愛知県警が揺れている。暴力団捜査を担当していた警部を電話で脅したとして脅迫罪などに問われた男の公判で、「県警に内通者がいた」との証言が相次いでいるからだ。男は、指定暴力団山口組のトップ2人の出身母体である弘道会(本部・名古屋市)と密接な関係にあったとされ、日本最大の暴力団に捜査情報が漏れていた可能性が出ている。

 「警察に内通者がいると確信した」。4月23日、脅迫の被害者とされた警部は名古屋地裁の証言台で断言した。名古屋市を中心に展開する風俗店グループ「ブルー」を率いる佐藤義徳被告(55)の公判でのことだった。

 起訴状などによると、佐藤被告は、自宅新築計画が住民反対運動で進まないのは県警組織犯罪対策課にいた警部の妨害だと邪推し、2010年7〜8月、警部の自宅や携帯電話に「娘がどうなっても知らないぞ」などと5回にわたり、部下を使って脅迫電話をかけたとされる。警部は、ブルーを弘道会の資金源とみて捜査していた。

 警部の証言によると、電話を掛けてきた男は捜査班の名称を挙げ、「10日くらい前(家族を守るための)保護願を(県警に)出したでしょ」などと、県警幹部ら数人しか知らない情報を語った。「警察の動きは全て分かっているぞ、という脅しだと理解した」と警部は振り返った。

 5月28日には、元県警捜査員(10年退職)が検察側証人として出廷。風俗店への摘発情報を佐藤被告に教える代わりに、現金などを受け取るようになったことを認めた。ただ警部によると、脅迫があった当時、元捜査員は捜査情報を知る立場ではなかったという。

 「『警察の人もお金で買える。一番ランクの上の人で2000万円で買った』と(佐藤被告が)言っていた」と、佐藤被告と交際していた女性も同日の法廷で証言。複数の警察官が買収されていた可能性が浮上している。

 県警は10年に「弘道会集中取締総合対策本部」を設置し、同会ナンバー2など有力幹部を次々に逮捕、資金源とみられる企業を積極的に摘発してきた。県警幹部は「現役警察官の中に内通者がいる証拠が得られれば、捜査に乗り出す」と語気を強める。

 愛知県弁護士会で民暴委員会委員長を務める渡辺一平弁護士は「一部の警察官による癒着が、暴力団排除の機運をそぐことになりかねない。徹底的にウミを出し切ることが必要だ」と指摘する。

「組幹部、ゴルフ場で逮捕」相次ぐワケ 詐欺容疑事件

 指定暴力団道仁会の会長小林哲治容疑者(57)らが29日、逮捕された。警察は、ゴルフ場が約款で暴力団員の利用を禁止しているのに、暴力団であることを隠して利用したのは詐欺容疑にあたると判断した。同様の容疑での摘発は全国で相次ぐ。ただ起訴されなかった例もあり、識者は暴力団トップの摘発の難しさを指摘する。

 大阪府警は昨年11月に指定暴力団山口組の最高幹部の一人、愛知県警は2011年6月に山口組弘道会のナンバー2を、それぞれ同じ容疑で逮捕した。だが大阪の事件は不起訴に。愛知の事件では、名古屋地裁が無罪を言い渡したものの、名古屋高裁は有罪とした。宮崎でも摘発があり、宮崎地裁は山口組系組長に対し、執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

 道仁会は1971年に結成され、九州最大規模の暴力団。一部の組が離脱してできた指定暴力団九州誠道会(本拠地・福岡県大牟田市)と2006年から抗争を続けている。今月11日に抗争終結を宣言したとはいえ、福岡県警などは、和解を装っている可能性があるとみて警戒を続けている。

 暴力団に詳しいフリージャーナリスト鈴木智彦さんは「組織の象徴である会長の摘発は組の弱体化に有効」とする一方、「今回のような詐欺容疑で実刑判決を受ける例は少ない。実刑を受けさせるような罪で摘発しないと実質的な意味はない」と指摘する。暴力団側も警戒を強めており「こうした容疑で摘発せざるを得ないという状況こそ、暴力団の取り締まりの難しさを表している」と話した。

道仁会:九州誠道会との「手打ち」に住吉会最高幹部の影?

 九州で一般市民も巻き込む抗争を続けてきた道仁会トップの逮捕は、暴力団壊滅を目指す警察当局の姿勢を改めて示した。「道仁会は小林容疑者の強いリーダーシップで意思決定をしてきた組織とはいえない」(福岡県警幹部)ため、組織の打撃はそれほど大きくないとみられるが、警察当局にはこの逮捕をテコに九州誠道会との「抗争終結」の意思を示している道仁会の真意を見極めたいという思惑もある。

 道仁会九州誠道会は「特定抗争指定暴力団」に指定されているため、警戒区域での5人以上の集会を禁止されるなど、抗争を防ぐための厳しい行動制限を課されている。

 両団体が福岡県警に今月11日、「抗争終結宣誓書」を出し、26日にも小林容疑者ら両団体のトップらが道仁会前会長の墓参りをするなど、「手打ち」をアピールしているのはこうした締め付けが効いているあかしともいえる。

 警察幹部によれば今回逮捕された住吉会最高幹部の加藤容疑者が手打ちに何らかの役割を果たしているという情報もある。ある捜査幹部は「背景や抗争終結の真意とともに、両団体の交流の意味についても聞きたい」としている。

道仁会会長ら、詐欺容疑で逮捕 身分隠しゴルフ場利用‐警視庁

 暴力団員の身分を隠してゴルフ場を利用したとして、警視庁は29日、指定暴力団道仁会会長の小林哲治容疑者(57)=福岡県久留米市上津町=と住吉会幸平一家」総長、加藤英幸容疑者(65)=東京都板橋区南常盤台1丁目=、道仁会「二代目篠塚組」組長、篠塚太容疑者ら男女5人を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。小林容疑者は逮捕直前にもゴルフをしていて、逮捕された際には「しょうがないな」と話していたが、「悪いことをしたとは思っていない」と容疑を否認し、加藤容疑者は「黙秘する」と話している。

 組織犯罪対策4課によると、5人は1月12日、暴力団関係者の出入りを禁止している沖縄県内のゴルフ場で、身分を隠してゴルフをしたとしている。小林容疑者らの知人の同県内の団体職員の男(42)=同容疑で逮捕=が、ゴルフ場に予約を入れていたという。

 小林容疑者が四代目会長を務める道仁会は平成18年以降、会長人事をめぐって分裂した指定暴力団九州誠道会(福岡県大牟田市)との抗争で計47件の事件を起こし、一般人を含む14人が死亡している。今月11日には、双方が抗争の終結を宣言したが、福岡県などの公安委員会は「特定抗争指定暴力団」の指定を続けている。

 加藤容疑者は住吉会の2次団体で板橋区に本部がある「幸平一家」の十三代目総長。 幸平一家は東京・新宿や池袋を中心に縄張りを持つ住吉会の有力団体で、傘下には暴走族「関東連合」(解散)の元メンバーが多く在籍する組織を抱えている。同課は、道仁会トップと住吉会最高幹部がゴルフ場で同席していた背景について詳しく調べる。

 身分を隠してゴルフ場を利用したとして暴力団幹部らが詐欺容疑で摘発されるケースは全国で相次いでおり、昨年11月には指定暴力団山口組最高幹部が大阪府警に逮捕されたが、不起訴処分となっている。



東陽町駅前の切りつけ事件で元組員を起訴/東京

 東京都江東区で3月、男性4人が刃物で切られて負傷した事件で東京地検は28日、殺人未遂や銃刀法違反などの罪で、指定暴力団極東会系元組員、川村保容疑者(49)=同区=を起訴した。

 起訴状によると、川村被告は3月19日午前8時過ぎ、同区東陽の東京メトロ東西線東陽町駅前の路上で、30代~60代の男性4人を包丁とナイフで次々と切りつけ、全治10日~2週間のけがをさせたなどとしている。

 川村被告は逮捕時に「体内に埋め込まれた超音波から『人を刺してみろよ』と聞こえた」などと意味不明な供述をしており、地検は精神鑑定のため鑑定留置を裁判所に請求。鑑定の結果、責任能力があると判断した。

組長射殺 財津容疑者、6~7年前から関東潜伏 殺人罪などで起訴

 平成9年8月、指定暴力団山口組の最高幹部だった宅見勝宅見組組長=当時(61)=ら2人が射殺された事件で、約16年間の逃亡の末、兵庫県警に殺人容疑などで逮捕された元暴力団中野会(解散)組員、財津晴敏容疑者(56)が、少なくとも6~7年前から関東方面を転々としていたことが27日、捜査関係者への取材で分かった。

 神戸地検は同日、殺人と銃刀法違反の罪で財津容疑者を起訴した。起訴内容を大筋で認めており、地検は今後、裁判員裁判の対象事件からの除外を検討する。

 捜査関係者によると、財津被告は事件直後の9年9月、神戸市内の銀行で定期預金を解約し、現金約1500万円を引き出して逃走。その後、関東周辺に少なくとも6~7年前から潜伏していたという。ただ、逃走後の足取りや協力者について「一切言えない」と供述しているという。

 起訴状などによると、財津被告は9年8月28日、別の中野会系組員らに指示し、神戸市中央区のホテル4階の喫茶店で宅見組長を射殺。隣のテーブルにいた歯科医の男性=当時(69)=を流れ弾で死亡させたなどとされる。

青梅市の緊縛強盗事件、強盗などの疑いで元組員ら逮捕/東京

 東京・青梅市の住宅に押し入り、住んでいた当時79歳の女性を粘着テープで縛り、金庫などを強奪したとして、暴力団の元組員ら3人が警視庁に逮捕された。

 強盗などの疑いで逮捕されたのは神奈川県大和市に住む稲川会系暴力団の元組員、保田桂史郎容疑者(27)と、木名瀬高嗣容疑者(36)ら3人。

 警視庁によると、保田容疑者らは去年7月、青梅市師岡町の住宅に押し入り、当時79歳の女性に対し「騒ぐと殺すぞ」と脅して、現金17万円が入った金庫とショルダーバッグを奪った疑いが持たれている。

 保田容疑者らは宅配業者を装って訪問し、応対した女性を粘着テープで縛って犯行に及んでいた。保田容疑者は容疑を認め、ほかの2人は否認している。

顔を拳銃で2発、元組員射殺で懲役25年/北海道

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 北海道登別市のホテルで1月、元暴力団組員の男性を射殺したとして、殺人などの罪に問われた暴力団幹部で無職小出久弥被告(48)の裁判員裁判で、札幌地裁(加藤学裁判長)は28日、懲役25年(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。

 26日の初公判で小出被告は「間違いありません」と起訴内容を認めていた。

 判決によると、小出被告は1月29日、ホテル3階の宴会場ロビーで、露店の利権をめぐる交渉のもつれから指定暴力団山口組系の元組員平重隆之さん(当時61)の顔を拳銃で2発撃ち、殺害した。

関東連合:六本木事件や組織の全貌は…元幹部インタビュー

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 東京・六本木のクラブ襲撃事件や歌舞伎俳優の市川海老蔵さん暴行事件でメンバーらが逮捕された暴走族「関東連合」のOBグループについて、元幹部の30代男性が毎日新聞の単独インタビューに応じ、「事実を話してグループを解散に追い込みたい」と六本木事件の真相や組織の全貌を明かした。東京都杉並区と世田谷区を拠点にしていたギャング集団が成人して六本木かいわいに進出。指定暴力団の看板に頼り、闇金融などをシノギ(資金獲得活動)にしていた実態が初めて浮かんだ。

 「あ、違うかも……と思ったけどとりあえずぶん殴っておいた。裁判が終わるまで海外で様子を見る」。未明に六本木事件が起きた昨年9月2日の夜。男性は事件を主導したとして殺人容疑で国際手配されているOBグループのリーダー、見立(みたて)真一容疑者(34)から直接そう打ち明けられた。

 男性によると、事件のきっかけは2008年3月16日未明にさかのぼる。都内で開かれた見立容疑者の誕生パーティーの帰りに、参加者の関東連合関係者の男性が西新宿の路上で襲撃され、死亡した。今も未解決の犯行を対立グループの仕業とみた見立容疑者らはリーダー格の兄弟への報復の機会をうかがっていた。六本木事件は被害男性をこの弟と誤った末の出来事だった。

 男性は「この西新宿事件で危機感が強まった。見立(容疑者)君は世田谷出身者を中心に住吉会、杉並出身者を中心に山口組の系列組織の配下に入れていった」と振り返る。

 捜査関係者や男性によると、関東連合は生まれた年ごとにリーダー(総長)がいる。見立容疑者は1978年のリーダーで、この年から83年までの「6世代」が近年の主な登場人物という。男性も6世代のリーダーの一人。「6世代とそれ以外の関東連は別物というプライドがあった」。渋谷などのクラブで乱闘を繰り返したという。

 成人したメンバーは先輩OBの仲介で六本木や西麻布などの繁華街でシノギを得るように。男性のようにアダルトビデオ制作や芸能プロ経営という「正業」についた者もいたが、残りは闇金融や振り込め詐欺など「裏のシノギ」にのめり込んでいった。男性は「正業で成功した人間からは、みかじめ料のような『連合経費』という金が徴収された。使途は見立(容疑者)君にしか分からないが、緊急連絡用の携帯電話『連合携帯』の購入や示談金などに使われていたようだ」と振り返る。

 男性は27日、自身の活動などをまとめた手記いびつな絆 関東連合の真実を出版。「残ったメンバーにできることはグループを解散し、事実を話して罪を償うことだ」


飲食店にみかじめ料要求 暴力団組員に中止命令 栃木署/栃木

 栃木署は27日、暴力団対策法に基づき、栃木市泉川町、指定暴力団住吉会系、無職谷中史彦組員(46)に中止命令を出した。

 6月11日、同市内で飲食店を経営する女性(49)に対し「ここは、組のシマなので付き合ってくれますか」などと告げ、絵画のリース代金名目でみかじめ料、用心棒料を要求した疑い。

「露天商の組合、暴力団と密接な関係」 兵庫県が公表へ

 兵庫県や県警は近く、県内の露天商約200人が加入する県の認可法人「兵庫県神農(しんのう)商業協同組合」(同県高砂市)を、暴力団と密接な関係がある団体とみなし、公報やホームページに組合名を公表する。組合に暴力団への利益供与をやめるよう勧告していたが、従っていないことが明らかになったための措置という。

 捜査関係者によると、神農組合の副理事長(70)ら3人が、指定暴力団山口組系の暴力団幹部2人に用心棒代として、昨年3月から1年余り、計350万円を払っていたことが判明したという。県警などは、県内の自治体や寺社に露店の運営を神農組合に任せないよう要請する。

 神農組合は1949年に設立された。光の祭典「神戸ルミナリエ」(神戸市、12月)や西宮神社の十日えびす(兵庫県西宮市、1月)、姫路ゆかたまつり(同姫路市、6月)のほか、主要な寺社の初詣などで露店の出店などを取り仕切っており、催しなどへの影響も懸念される。

登別の射殺事件、被告に無期懲役を求刑/北海道

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 北海道登別市のホテルで今年1月、無職男性(当時61歳)が射殺された事件で、殺人罪などに問われた暴力団幹部で無職小出久弥被告(48)(登別市)の裁判員裁判が27日、札幌地裁(加藤学裁判長)であり、検察側は「確実に殺そうとした残虐で冷酷な犯行」として無期懲役を求刑した。弁護側は「懲役10年を超えてはならない」と述べ、結審した。判決は28日。

 検察側は論告で、「あらかじめ拳銃を準備して、いつでも発射できる状態にしていた。一般市民に危害を及ぼしかねなかった」と指摘した。被告人質問で、小出被告は、露店の利権などを巡って男性から執拗(しつよう)に責められたと説明したが、検察側は「人を殺す理由にはならない。犯行を正当化している」と非難した。一方、弁護側は「(男性の)脅迫のすさまじさを考えれば同情の余地がある」と主張した。

長澤まさみ、ロンブー淳…関東連合元幹部の暴露で名指しされた芸能人

数々の凶悪事件に関与し、芸能界にも深くかかわっているといわれる半グレ集団「関東連合」。昨年9月に六本木のクラブ「フラワー」で飲食店経営者の男性が撲殺された事件でも、首謀者は関東連合OBの見立真一容疑者(逃亡中)とされ、複数の関東連合関係者が逮捕されている。そんな凶悪極まりない関東連合の元幹部が、暴露本いびつな絆 関東連合の真実を出版し、多方面に波紋が広がっている。

 著者は工藤明男(仮名)という人物になっており、プロフィールでは「杉並区出身の関東連合元リーダー」で「現在は主に投資と企業コンサルタントの仕事を行っている」となっている。同書では、関東連合の実態や警察との“不適切な取引”、暴力団との関係などが詳細に書かれており、市川海老蔵暴行事件や朝青龍事件、六本木襲撃事件などの内幕にも触れている。

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ネットで暴走族排除そそのかし 容疑の組長、不起訴に /大阪

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 大阪地検は26日、暴走族を排除するようインターネットの掲示板で組員をそそのかしたとして、暴力行為等処罰法違反の教唆容疑で大阪府警に逮捕された指定暴力団山口組の2次団体「英組」の組長(77)ら4人を不起訴処分とした。処分内容や理由は明らかにしていない。

手話で恐喝の暴力団組員ら釈放「起訴に足る証拠集まらず」東京地検

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 耳の不自由な暴力団組員らが手話を使って知人男性(75)から150万円を脅し取ったとされる事件で、東京地検が、指定暴力団住吉会系組員(48)=仙台市=ら2人を処分保留で釈放していたことが、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者は「起訴に足る証拠が集まらなかった」としている。地検は今後も捜査を続け、起訴の可否を判断する方針。

 2人は都内に住む耳の不自由な知人男性の自宅で、「東日本大震災の津波で自宅などが流された。カネを出せ。出さないと何回でも来る」などと手話で伝え、現金150万円を脅し取ったとして、恐喝容疑で今月3日、警視庁城東署に逮捕されていた。

登別射殺事件、起訴事実認める/北海道

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 北海道登別市のホテルで今年1月、無職男性(当時61歳)が射殺された事件で、殺人罪などに問われた暴力団幹部で無職小出久弥被告(48)(登別市)の裁判員裁判の初公判が26日、札幌地裁(加藤学裁判長)であり、小出被告は「間違いないです」と起訴事実を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、露店の利権を巡って別の元暴力団幹部の絶縁処分を撤回するよう男性から強く求められた小出被告が、「自分の縄張りを守るために殺す決意を固めた」と指摘した。

 弁護側は起訴事実を認めた上で、「被害者は脅迫を繰り返しており、小出被告は土下座までしてがまんを重ねていた」と述べた。

180店舗に18~60歳の女性…松島新地売春事件で暴力団会長ら2人逮捕/大阪

 大阪市西区の繁華街・通称「松島新地」の料理店で女性が売春をさせられていた事件で、大阪府警保安課は25日、組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で、山口組の二次団体「秋良連合会」会長、金東力(きんとうりき)(56)=大阪市浪速区大国=と、同幹部、岡本貴(37)=同市旭区清水=の両容疑者を逮捕したと発表した。この事件の逮捕者は22人。

 逮捕容疑は平成23年9月、性風俗店への斡旋事業で得た金と知りながら、スカウトグループ代表の西村暢一郎被告(28)=売春防止法違反罪などで公判中=から、みかじめ料名目で30万円を受け取ったとしている。

 府警によると、2人は「受け取っていない」と容疑を否認。西村被告は23年8月~24年9月、金容疑者らに毎月30万円を渡していたといい、「組織を守るために払った」と供述している。

 府警によると、グループには約100人のスカウトマンが在籍。直営店を含む風俗店計180店舗に18~60歳の女性を引き合わせることで、月約1億5千万円を荒稼ぎしていた。スカウトマンは月70万~130万円を得ていたという。

「これしか楽しみが…」身分隠した84歳の組員逮捕

 暴力団の身分を隠してゴルフをしたとして、84歳の組幹部の男が逮捕された。男は「これしか楽しみがなかった」などと供述している。

 指定暴力団住吉会系の幹部・斉田宏容疑者は3月、栃木県のゴルフ場で、組員であることを隠し、プレーした疑いが持たれている。
 警視庁によると、このコースは県の暴力団排除条例に基づき、組員の入場が禁止されていたが、斉田容疑者は知人を介して予約していたという。
 
 取り調べに対し、「ゴルフが大好きだった。この年になって、これしか楽しみがなかった」などと容疑を認めている。斉田容疑者は去年3月以降、同じコースで約30回にわたってプレーしていたとみられている。

パトカーに車ぶつける 容疑の組員を逮捕 宇都宮東署/栃木

 宇都宮東署は25日、公務執行妨害の疑いで宇都宮市駒生1丁目、指定暴力団山口組系組員、無職池田哲也容疑者(39)を逮捕した。

 逮捕容疑は23日午前3時17分ごろ、宇都宮市宿郷2丁目の駐車場で、道交法違反の疑いで職務質問をしようとした警察官が乗車していたパトカーに自身の車両を衝突させ、職務の執行を妨害した疑い。警察官にけがはなかった。同署によると、黙秘している。

震災補助事業悪用で逮捕 県警初、暴力団身分隠し申請/福島

 暴力団関係者であることを隠し、東日本大震災で被災した企業向けの県の補助金をだまし取ろうとしたとして、双葉署は24日午前7時50分ごろ、詐欺未遂の疑いで、いわき市小名浜、暴力団組長、飲食業矢内久男容疑者(66)を逮捕した。
 逮捕容疑は、昨年12月上旬ごろ、被災企業を対象とした県の「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」を悪用し、暴力団関係者であることを隠して申請、補助金約1100万円をだまし取ろうとした疑い。同事業の悪用による逮捕者は初めて。
 同署によると、矢内容疑者は震災前まで楢葉町で居酒屋を経営していたが、現在は同市に避難。補助金を申請したが暴力団ではないと否認しているという。

暴力団事務所隠蔽:3容疑者を電磁的公正証書原本不実記録罪で起訴/熊本

 暴力団事務所を架空の会社と偽ったとして、熊本地検は21日、熊本市中央区本荘、指定暴力団山口組弘道会「二代目高己組」組長、豊龍児(42)▽同市北区龍田陳内、同若頭、藤林誠(40)▽同市中央区本荘、同幹部、高松慶春(40)−−の3容疑者を電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪で起訴したと発表した。

 熊本北署が逮捕していた。起訴は18日付。起訴内容などによると、約半年後に県暴力団排除条例の施行を控えていた2010年11月17日ごろ〜同月下旬の間に共謀して、暴力団事務所であることを隠す目的で、虚偽の書類を作成し熊本地方法務局に架空の「豊商事」という会社を登記させたとしている。

 地検によると、会社と偽る暴力団事務所隠蔽(いんぺい)事件の起訴は県内初で、全国でも2例目という。

総会屋「児玉グループ」の玉水代表死去 関西拠点に活動

 総会屋「児玉グループ」の児玉英三郎(本名・玉水秀蔵)代表が、京都府内の病院で21日朝、死去したことが捜査関係者への取材で分かった。75歳だった。

 山口組系暴力団の元幹部。1998年の松下電工(現パナソニック)や阪急電鉄の株主総会をめぐり、株主や社員を脅したとして暴力行為等処罰法違反罪で実刑判決を受けるなど、関西を拠点に過激な活動をする総会屋として知られていた。ここ数年は総会屋として目立った活動はしていなかったという。

暴力団組員の身分を隠して生活保護費28万円詐取/滋賀

 暴力団組員の身分を隠して生活保護費を受給したとして、滋賀県警組織犯罪対策課などは19日、詐欺の疑いで指定暴力団会津小鉄会系組員、河井富士男容疑者(61)=近江八幡市八幡町=を逮捕した。「組員が生活保護費を受け取れないと知らなかった」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は今年1月、同市福祉事務所で面談に応じた職員に対し、昨年12月に暴力団に所属したことを申告せず、今年2~5月の間に生活保護費計約28万円をだまし取ったとしている。

「情報全て知っている」 組関係者、発言繰り返す/静岡

 ■検察事務官の漏洩事件

 暴力団関係者らに数年にわたって捜査情報を漏洩(ろうえい)していたとして、静岡地検の事務官の女(30)が国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕された事件で、事務官が情報漏洩を始めたとされる平成21年以降、暴力団関係者が「捜査情報は全て知っているぞ」など情報漏洩を示唆する発言を繰り返していたことが20日、捜査関係者への取材でわかった。県警は、情報漏洩が県警や地検の捜査に影響していなかったかを詳しく調べる方針。

 県警は同日、検察事務官の鈴木美穂(30)、交際相手の建設会社経営、鈴木明(38)、指定暴力団山口組系組幹部、坂井誠(39)の3容疑者を静岡地検に送検した。

 捜査関係者によると、美穂容疑者は「悪いことだと分かっていたがやってしまった。公務員として恥ずかしい」と後悔している様子だという。

 ただ、漏洩した動機については、明容疑者ら3人に金銭的なやりとりや、強引に美穂容疑者に漏洩させた形跡などはみられておらず、「2人は交際関係にあったために、無償で漏洩の求めに応じた」(捜査関係者)可能性もあるという。

 県警のこれまでの調べで、美穂容疑者は、平成18年3月に富士宮市内で男性会社員(51)が男に脇腹を刺された未解決の殺人未遂事件や、明容疑者が被害に遭った連続バイク盗難事件など約10件の捜査情報を、メールなどで坂井容疑者らに漏洩した疑いが持たれている。

 また、美穂容疑者が漏洩した捜査情報により、坂井容疑者の暴力団が関係する恐喝事件などで、県警が立件する前に被害者に示談を持ちかけて、“事件つぶし”を図った疑いも持たれている。

身分偽り融資受ける 容疑で組員を再逮捕/茨城

 暴力団員であることを隠して銀行から融資を受け、現金をだまし取ったとして、県警は20日、詐欺などの容疑で、指定暴力団住吉会系の組員で、つくば市古来の自称自動車仲介業、染谷正和容疑者(46)を再逮捕した。容疑を否認している。

 逮捕容疑は平成23年11月、つくば市の銀行支店窓口で、融資申し込みの際に暴力団員でないことを確約する契約書類に署名し、銀行から現金80万円をだまし取ったとしている。

 染谷容疑者は3日、同支店の男性行員を脅して融資の肩代わりを要求したとして、恐喝未遂の容疑で逮捕されていた。

1人逮捕、4人再逮捕 カード詐欺容疑、組幹部ら/富山

 金融機関からキャッシュカードをだまし取り現金を引き出したとして、詐欺と窃盗の疑いで指定暴力団山口組傘下組織幹部の男ら四人が逮捕された事件で、富山県警組織犯罪対策課や富山中央署などの合同捜査本部は二十日、同容疑で四人を再逮捕、新たに一人を逮捕した。

 再逮捕されたのは、山口組傘下組織幹部の間片宏昭(44)=富山県高岡市御旅屋町、須和充(37)=同市伏木中央町=ら四容疑者。新たに逮捕されたのは、会社員城石正幸容疑者(38)=富山市二口町。

 逮捕容疑は、五人は共謀して今年三月ごろ、富山市内の消費者金融の店内にある無人契約機で、生年月日を偽った身分証を提示し、返済能力がある客を装ってキャッシュカードを不正に入手。その場でカードを使って五十万円を引き出したとされる。

 署によると、間片、須和両容疑者が指南役を務め、他の三人が実行犯、カード偽造などの役割を担った。いずれも容疑を認めているという。

裏切ったのは誰か…逃亡16年、宅見組長射殺「指揮役」突然の逮捕劇

 「最後の指名手配犯」の逃亡生活は16年で終止符が打たれた。平成9年8月、指定暴力団山口組の最高幹部だった宅見勝宅見組組長=当時(61)=ら2人が射殺された事件で、現場指揮役として指名手配されていた暴力団中野会(解散)元組員、財津晴敏容疑者(56)が、兵庫県警に逮捕された。襲撃に直接関与したとされる6人のうち3人はすでに実刑判決が確定し、残る2人も遺体で見つかっている。財津容疑者には死亡説も流れていたが、神戸から約400キロ離れた埼玉県内のアパート前での突然の逮捕劇だった。逮捕の背景にあったのは、捜査当局の執念の捜査か、それとも裏切りか。

 ■うなだれ…「はい」 しかし手元には35万円

 6月5日朝、埼玉県狭山市の西武新宿線沿い。閑静な住宅街の一角にある2階建てアパートは、逃亡者が身を潜めるにはあまりにも似つかわしくない黄色い外装だった。しかし、捜査当局の目から、そして公開手配を知る市民の目から逃げ続けた男が、アパート1階「102号室」に潜伏しているとの情報を得ていた兵庫県警の複数の捜査員は、男が動く瞬間を息を潜めて待った。

 午後1時45分、ドアを開けて出てきた男は長袖Tシャツに青いズボン、キャップ帽というラフないで立ちだった。2人の捜査員は瞬時に近づくと、「財津か」と職務質問した。男は逃げる素振りも抵抗する様子もなく、「はい」と答えてうなだれた。

 任意同行先の埼玉県警狭山署で、指紋などの身体的特徴が一致していることを確認。午後4時すぎ、逮捕状が執行された。

 「2人を射殺したのは間違いない。見届け役として現場に行った」

 財津容疑者は素直に容疑を認めた。その後の調べに「1人暮らしで仕事もしていなかった」とも供述したが、逮捕時に所持していた現金は約35万円。「2~3年前から住んでいた」というアパートや公共料金が同一の別人名義で契約されていたことも判明した。

 逃亡生活を支えた人物がいたことは明らかな状況だが、財津容疑者自ら協力者の存在を明かすようなまねはしない。もちろん埼玉以前の足取りを明かすことも…。兵庫県警は体制を組み直し、逃亡の経緯を含めた全容解明に乗り出した。

 ■「何もしゃべるな」

 「宅見(組長)は『パサージュ』という喫茶店におる。一緒にいるひげの男は撃たんでええ。宅見(組長)だけを撃つんや」

 9年8月28日午後3時すぎ、神戸市中央区の新神戸オリエンタルホテル(当時)。ロビーのある4階を偵察していた財津容疑者は、2階と3階の間の階段に待機していた実行犯4人を手招きすると、手短に指示した。

 ほぼ満席の喫茶店。上下青の作業服にサングラス姿の4人組がなだれ込んだ。山口組幹部2人とコーヒーを飲みながら雑談していた宅見組長に、至近距離から銃弾を何発も撃ち込んだ。左手を突き上げ、必死に起き上がろうとする宅見組長に、追い打ちをかけるように引き金を引いた-。

 実行犯の1人で、元中野会系組員の中保喜代春受刑者(63)は、収監後に出した著書「ヒットマン」で、当時の様子を詳細にこう記している。さらに、現場指揮役として財津容疑者の口から指示された言葉をこうもつづっている。

 「身元がばれるものは一切持ち歩くな」「互いの名前を呼ぶのもあかん。ヒットマンは4人やから、今後は東西南北の符号で呼び合え」「捕まっても何もしゃべるな」

 財津容疑者が4人に発した指示は、慎重に慎重を期していた。とはいえ、16年の月日はあまりにも長すぎたのか。逮捕後は自身の言葉を忘れたかのように、事件への関与を素直に認めている。

 ■逃亡2人は遺体で

 宅見組長と中野会との対立に端を発したとされる宅見組長射殺事件。直接関わったとされる6人のうち、3人はすでに実刑判決を受けて服役している。残る3人のうち、財津容疑者を除く2人は事件後、変わり果てた姿で見つかった。

 全体の指揮役とみられる吉野和利・元中野会幹部=当時(45)=は事件翌年の7月、韓国・ソウルの潜伏先のアパートで、ベッドで鼻から血を流した状態で見つかった。外傷はなく、現地の警察当局は「脳卒中と推定され、他殺の疑いはない」と判断した。

 また、実行役4人の中で最後まで逃げ延びた鳥屋原精輝・元中野会系組員=当時(56)=は18年6月、神戸市東灘区の倉庫で衣装ケースに入れられたまま遺棄されているのが見つかった。遺体の体重はわずか34キロ。死因は衰弱死で、糖尿病や慢性肝炎などを患っていた。歯もほとんど抜け落ち、床ずれの痕から寝たきり状態だったことがうかがえた。

 鳥屋原元組員の遺体をめぐっては、遺棄に関与した2人が「遺体を関東まで取りにきてほしい」との連絡を受け、神奈川県厚木市まで車で遺体を受け取りに行っていたという。遺体を引き渡したのは男ら3人とみられるが、2人は「3人とは面識がない」と供述したままで、壮絶な逃亡生活の謎は明らかになっていない。

 ■死亡説もある中…

 携帯電話の通話記録や防犯カメラの解析などから、事件当初から現場指揮役と断定されていた財津容疑者。平成11年3月に指名手配されて以降、全国の警察署などに顔写真が張り出された。神戸市内をはじめ、北海道や福岡、出身地の大分などから数多くの目撃情報が寄せられ、兵庫県警はそのたびに捜査員を派遣してきたが、いずれも逮捕には結びつかなかった。

 捜査員の間でも死亡説がささやかれる中、今回の情報は違った。複数の捜査関係者によると、「財津容疑者が埼玉にいる」との情報は3~4カ月前、財津容疑者の関係者から寄せられたという。兵庫県警はすぐに捜査員を派遣。財津容疑者の立ち回り先などを丹念に調べた結果、「財津容疑者にほぼ間違いない」との心証を得た。突然の逮捕劇だったとはいえ、決して偶然の産物ではなかった。

 ある捜査関係者は指摘する。「財津容疑者を支援していたのは中野会の関係者だろうが、これだけ逃亡を続けるには数千万円単位の資金が必要。中野会自体が解散してしまっては、支援者の処遇も悪化していたはず。その不満が裏切りにつながった可能性はある」

酒井法子の弟不起訴「起訴するに足りる証拠がなかった」 /福岡

 福岡地検は20日、18歳未満の少年2人を組事務所で働かせるなどしたとして、児童福祉法違反の疑いで逮捕された女優酒井法子の弟で指定暴力団山口組系組員吉原健さん(34)を不起訴処分で釈放した。

 地検は不起訴の理由を「起訴するに足りる証拠がなかった」としている。

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